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帝国データバンク調べ、福井運輸が自己破産へ

2010年10月1日 (金)

ロジスティクス帝国データバンクは1日、兵庫県尼崎市の福井運輸が9月30日に事業を停止したと発表した。現在、事後処理を井口喜久治弁護士に一任し、10月中をメドに自己破産を申請する。

 

同社は1937年9月創業、68年3月に法人改組した一般貨物自動車運送業者。09年12月に神戸市東灘区から実質的に本店を移転し、翌10年3月に登記面本店も実質本店に移転した。

 

当初は神戸市灘区から西宮市にかけて広がる灘五郷の清酒メーカーを主要顧客として業容を拡大。当地では老舗の運送業者として知名度を持つとともに、食品関連の取扱いでは一定の評価を得ていた。

 

その後80年代後半頃から消費者の清酒離れが顕著となり、メーカーの出荷量が徐々に落ち込んだため、食品商社やビールメーカーへと荷主を変遷させていた。ここ数年では事務機器やケミカル商材なども扱うほか、梱包・ピッキングなど付帯業務に行って他社との差別化を図り、09年2月期の年収入高は約33億2500万円を計上するなど堅調な業績を維持していた。

 

しかし、ここ数年は同業者間の受注競争や原油高に伴う燃料費の高騰、排気ガス規制に伴う車両入れ替えなどの設備投資負担により財務面が悪化し、これを覆い隠す形で行なってきた過年度に渡る不適切な会計処理が表面化。

 

このため、取引金融機関には条件変更を要請し、その後も取引先への支援要請などでしのいできたものの、大口得意先からの受注も減少したことで採算性を維持できず、資金繰りが大幅に悪化。リストラなどに努めていたものの、ここに来て決済難に陥ったことから事業継続を断念し、今回の事態となった。

 

負債は約40億円。