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3D仮想検証で物流効率化、アパレル流通が採用

2022年6月23日 (木)

アパレルゼネテックは22日、女性下着などの物流を担うワコール流通(滋賀県守山市)が、3Dシミュレーションソフト「FlexSim」(フレックスシム)の活用により、物流拠点内における業務効率化を達成したと発表した。フレックスシムは米FlexSim Software Productsが開発した離散事象解析の3Dシミュレーションソフトで、ゼネテックは日本総代理店を務めている。

フレックスシムは物流倉庫、マテリアルハンドリング機器などのシミュレーションモデルを、軽量な3Dグラフィックで構築し、人やモノの流れを計算。機械や作業員の稼働率、作業時間など多彩な情報を円グラフや折れ線グラフなどで一元的に可視化する。生産性が最大になるよう、AI(人工知能)が最適解を算出する機能も併せ持つ。


▲「FlexSim」の3Dシミュレーション画面(出所:ゼネテック)

ワコール流通ではこれまで倉庫内を再編する際、棚やコンテナボックスを都度動かすなどして最適化を検証していたという。人と時間が掛かりすぎることが課題だったが、フレックスシムでレイアウトなどを事前にシミュレーションして効果を確認することで、検証時の手間が解消された。

また、フレックスシム採用後は、AGV(無人搬送車)の台数最適化によるコスト削減、庫内作業省力化による庫内の移動歩数削減、作業工程最適化による商品の滞留時間の改善、垂直搬送機の待ち時間削減――の効果がみられているという。

ワコール流通の堤幸信社長はこれらの改善効果を受け「生産性について今まで以上に社員全員で意識するようになったと感じる。今後も流通センター全体の平準化を実現するべく、フレックシムを活用して業務改善、最適化を推進していきたい」とし、今後の業務効率化への取り組み強化を示唆した。