ピックアップテーマ
 
テーマ一覧
 
スペシャルコンテンツ一覧

事業仕分け、トラック協会に”抜本的見直し”判定

2010年5月26日 (水)

行政・団体政府の行政刷新会議による5月25日に行われた事業仕分けの結果、全日本トラック協会への資金の流れが不透明であるとして「見直し」判定となった。

 

見直し対象となったのは「都道府県トラック協会からの出捐金による事業」。全ト協の運営は、都道府県トラック協会からの「出捐金」で行われているが、出捐金は都道府県が交付金として地方トラック協会に交付したもののうち25%があてられる「慣例」となっている。

 

1976年に軽油引取税の暫定税率が設定された時期に交付金事業が開始されたこと、全ト協の常勤役員6人のうち4人が官庁OBであることなどから、不透明性が厳しく指摘される結果となった。交付金、軽油引取税の暫定税率、天下り――。これまでも各地のトラック協会などで問題視されながら存続してきた中央省庁と地方自治体、トラック協会にまつわる構図が、事業仕分けによって見直し対象となったことは、トラック協会の在り方を根本から問うものとなりそうだ。

 

一部では民主党の内部対立が影響しているとの見方も出されているが、評価者からは「天下りを徹底的に見直」し、任期満了を迎えた役員の後任は「幅広く民間人から募集」する、「仕組みの見直しの際には中央・地方の事業をスリム化」する、といった厳しい評価がなされ、評価結果に付されたとりまとめのコメントにも「公益法人として疑いをもたれない形で、公募も含めて見直しを行って頂きたい」などと抜本的な修正を求める内容となった。

 

■25日の事業仕分けで出されたコメントは以下の通り。
▽天下りを徹底的に見直す。今年度以降任期を迎える役員については、幅広く民間人から募集を募ることにする。
▽仕組みの見直しの際には、中央・地方の事業をスリム化し、より事業者へ支援が近い内容に改めること。
▽透明性を持った制度に(国土交通省が責任を持って予算要求して交付、交付金の説明責任を持つべき。)。説明責任として、交付金の中身、意義を常に議論すべき。
▽本来の制度的意図(軽油引取税を事業者に対し軽減するという意図)に立ち戻って、仕組み自体の見直しをしてほしい(国土交通省の政策意図と事業者の意図との乖離もあり得るので、もう一度検討すべきと思う。)。
▽仕組みが複雑で透明性を欠く。
▽各事業者に直接還付できる形を考えるべきではないか。
▽資金の流れが非常に複雑であり、より単純で国民に判りやすいように、たて付けを政府が根本から考えるべきである。全国的に必要な安全事業等は国が行うべきでないか。
▽巨額の税金の使途の決定プロセスが不透明である。目的税化してしまっている。
▽目的を達成する上での担保が不十分。協会自体の透明性は、より一層確保すべき。
▽税制の整備・再検討を含んで、その存立基盤の安定化を。
▽都道府県からの交付金→都道府県協会からの出捐金→全国協会という不透明かつ不安定な流れは早急に改善すべき。さらには、出捐金の使途の妥当性とその効果を検証すべき。
▽軽油引取税及び地方交付税に依拠する現行の仕組みではなく、自動車関連税(自動車税、自動車重量税)の軽減によるトラック事業者への直接支援に切り換える。これにより、当該社団を通じた諸事業は、社団を構成するトラック事業者自らの負担による共同事業に絞る。