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ワールド・ロジ、私的整理で経営再建を模索

2013年3月11日 (月)

話題ワールド・ロジは11日、私的整理の一手法である事業再生ADR手続きの利用申請を行い、受理されたと発表した。これにより、同社は金融機関に対して「10%以上の債務免除」を受ける計画で、事業再生実務者協会(JATP)と連名で取引金融機関に「一時停止通知書」を送付した。

事業再生ADR手続きは、債務免除を柱として金融機関に対して進められる経営再建手続きで、一般の取引先に直接影響することはない。

同社は2012年6月期決算で58.8億円もの債務超過に陥り、大証から上場廃止の猶予銘柄に指定を受けたことから「もはや同社グループ単独での再生が困難な状況に立ち至った」として、上場を維持しつつ財務体質の改善を図るために「金融機関に対して金融支援をお願いせざるを得ない」と判断した。

今後、再建計画を開示し、その日から1か月間の上場時価総額が5億円以上になれば上場維持が認められることとなる。

25日に1回目の債権者会議を開催する予定で、この会議で事業再生計画案の概要を説明。5月に再生計画案を協議するために2回目の会議を行い、6月の3回目会議で決議する方針。

同社は2004年に上場して以来、積極的な企業買収を展開して事業規模を拡大。07年7月には通販事業者向け物流センターとして「大阪フルフィルメントセンター」を開設するなど、大規模な設備投資を行った。

しかし、企業買収や設備投資資金を借入金で調達していたため、有利子負債が急激に増大し、収益・資金繰りを圧迫。事業収益の柱となるはずであった大阪フルフィルメントセンターを活用した事業で、想定した収益を上げることができず、損益と資金繰りの悪化に拍車が掛かった。

こうした取り組みで売上至上主義の拡大路線を抜本的に見直し、子会社の売却や不採算事業の廃止を進めたが、収益改善には至らず、09年6月期から連続して営業赤字を計上。12年6月期には、ついに58.8億円もの債務超過に至った。