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川崎重工、舶用廃熱回収システムを開発

2013年7月18日 (木)

環境・CSR川崎重工業は18日、二酸化炭素(CO2)排出量の削減に効果のある舶用ディーゼル主機用の廃熱回収システム「K-GET」を開発したと発表した。

国際海事機関(IMO)ではことしから、国際航海に従事する船舶に対して段階的にCO2排出量の低減を義務付けることとなっており、この規制への対応手段の一つとして、同社は舶用ディーゼル主機の排ガス余剰エネルギーを利用した廃熱回収システムの開発を行っていた。

これまで、舶用ディーゼル主機から出る排ガスは、主機に搭載される過給機に全量送られ、主機に新しい空気を送るためのエネルギーとして活用されてきたが、近年の技術進歩で高効率化が進み、全量の排ガスを使わなくても主機に十分な空気を送ることができるようになった。

同社が開発したK-GETは、過給機からバイパスした排ガスの一部でパワータービンを駆動し、得られた力でクランク軸を加勢するシステムで、独自開発のパワータービンを用いて高い効率を実現したほか、機器構成をシンプルに設計し、機関室配置への影響を最小限にした。

排ガスからの廃熱回収で得られたエネルギーを推進出力の一部として直接利用することで、CO2排出量、燃料消費量を低減するとともに、バルクキャリアや石油運搬船など運航中に船内電力をあまり必要としない船などへの幅広い適用を可能にしている。

神戸工場(神戸市)で実施した試験運転では、最大4%のCO2排出量、燃料消費量の低減を確認したという。今後は就航試験を実施し、システムの性能評価、耐久性の確認を行う計画で、2015年度の市場投入を目指している。