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双日、ベトナムにASEAN最大の穀物専用港

2010年12月2日 (木)

ロジスティクスIFV社の製粉工場、サイロ、穀物エレベーターと荷役コンベヤー(出典:双日)双日は2日、20%出資するベトナム製粉大手のインターフラワー・ベトナム社(IFV社)の港湾施設「カイメップアグリ港」が11月末に完成し、1日に港湾完成記念式典を開催した。

 

カイメップアグリ港は、パナマックス級本船(約6万トン)が着岸可能な穀物専用の港湾施設で、荷役能力は年間約300万トン、穀物保管用の倉庫・サイロ約16万トンを備え、内航船への積替え用埠頭を備えるASEAN域内で最大規模の穀物専用港となる。

 

ベトナム南部、ホーチミン近郊でのバラ積み貨物の取扱いは、これまで水深が浅い公共バースでの中・小型船が中心で、年々増大する貨物数量に対する荷役能力の不足から、滞船が発生していた。双日では「カイメップアグリ港の完成で大幅な改善が期待される」としている。

 

IFV社では初年度100万トン、5年以内に年間200万トン以上の貨物取扱いを計画している。また、同社はベトナム国内の旺盛な需要に対応するため、約20億円を投じた新たな製粉ラインの設置を決定。この増設で11年末までに製粉能力を現状の日量500トンから1000トンへと倍増し、ベトナム首位の生産能力を持つ製粉会社となる見込み。

 

ベトナムでは、経済成長に伴う「食の欧米化」の影響もあり、小麦粉の需要が年々高まっている。09年の小麦輸入量は約120万トンだが、今後は年約5%で成長を続け、14年には約180万トンへと増大が見込まれる。双日ではカイメップアグリ港を活用し、カナダ・米国・豪州産の小麦に加え、ロシア産小麦の取り扱いも進め、直接的に農業事業を行う南米地域からも脱脂大豆・トウモロコシ・小麦などの飼料原料をアジア地域に向け展開する。