サッポロビール、インドネシアでバイオ燃料プラント竣工

フードサッポロビールは21日、子会社のサッポロエンジニアリングが月島機械とともに、インドネシア・東ジャワ州のモジョケルト市で商業規模のバイオエタノール製造プラントの建設を完了した、と発表した。

この事業は、新エネルギー・産業技術総合開発機構（NEDO）から受託したもので、インドネシア国営農業公社の製糖工場に燃料用バイオエタノール製造プラントを設置。

この工場や近隣の製糖工場から排出される年間15万トンのモラセス（廃糖蜜）の70％を原料に、年間3万キロリットルの生産を計画している。

製糖工場の副産物であるモラセスを原料として燃料用バイオエタノールを製造することで、同国の化石燃料消費量の低減と砂糖産業の安定化に寄与する。

同国では自動車燃料などの化石燃料消費量が増加し、2004年以降は石油輸入が輸出を上回る状態が続いているため、同国政府が25年にエネルギー消費量の5％をバイオ燃料で賄う方針を打ち出している。

実証事業では、日本政府とインドネシア政府の共同事業として、製糖工場の副産物であるモラセスを原料とするバイオエタノール製造技術の実証を行う。

日本で開発された凝集性酵母を用いた「繰り返し回分発酵法」を用いて実証運転を行い、製造するバイオエタノールはガソリンと混合して自動車用燃料として利用される。