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指定空間のみを認識するシート状センサーが登場

2013年9月24日 (火)
シート状アンテナ使用例

シート状アンテナ使用例

アパレル富士通フロンテックと富士通研究所は24日、大型で薄いシート状のアンテナを使用し、指定した40cmまでの上方空間のみを認識するセンサー技術を開発した、と発表した。2014年1月から販売を開始する。

これにより、収納棚の段ごとに置かれたRFIDタグ付き用品の有無や、どの段に置かれているかを正確に認識できるため、図書館、書店、レンタル店、アパレル店舗・倉庫などで、物品管理業務の精度を高めることができるようになる。

UHF帯RFIDは、13.56MHz帯などほかのRFID技術より通信距離が長く、小売・アパレル業などの店舗や物流過程で一括棚卸、一括検品に効果を発揮するとして、徐々に採用が広がっている。

しかし、読み取る必要がないRFIDタグまで認識してしまう「読み過ぎ」や、読み取り対象のRFIDタグが電波空間の中にあっても電波のムラによって読み取れない「読みムラ」が発生し、運用上の課題になっていた。

こうした課題を解決する一策として使用されているメッシュタイプのUHF帯RFIDアンテナは、メッシュに配置されたアンテナの漏れ電波を利用する特性上、アンテナ上方10cm程度の空間までしか読み込めないため、棚に積み上げられたアパレル商品などを途中までしか認識することができない課題がある。

適用イメージ

適用イメージ

そこで、富士通フロンテックは解決に必要な技術的要件や実用化に向けたコストダウンなどの検討を行い、富士通研究所で要件を満たすための技術開発を行った。

アパレル店舗や倉庫では、この技術を装置した商品棚・保管棚にRFIDタグ付き商品が収納されている場合、段ごとに、その段上の範囲のみを読み取ることができ、「リアルタイムな棚卸」「販売済み商品を遅滞なく補充」「商品の場所(どの段に置かれているか)を検索・特定」「持出しを検知」といった、業務の効率化が可能になる。

また、顧客が個々の商品を手に取ったことを認識できるため、商品の配置や陳列順などによる購買動向を把握できることから、情報の蓄積でマーケティングや販促情報としても活用できる。