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豊田通商、インドで年明けにもレアアース製造工場着工

2010年12月8日 (水)

拠点・施設豊田通商は8日、インド現地法人トヨツー・レアアース・オリッサ社(TREO社)とともに、インドでレアアースの製造工場に着工すると発表した。

 

同社はレアアース資源の安定確保を目指し、インディアン・レアアース社(IRE社)、信越化学工業などの協力を得て、レアアース酸化物の製造工場を建設する。数年前から産業技術総合研究所(産総研)や石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)と幅広く連携し、世界中のレアアース資源ポテンシャルについて調査を実施、中国以外の供給ソースの確保に取り組んでいた。

 

IRE社はインド原子力庁の傘下企業で、原子力発電推進のため、インドで潤沢に埋蔵が確認されている海岸の漂砂鉱床から採掘・選鉱されたモナザイト鉱石から、ウラン・トリウムといった燃料を抽出している。抽出後に副産物として混合塩化希土も産出しており、今回のレアアース製造工場は、その混合塩化希土を原材料としてレアアースの酸化物を製造するもの。

 

信越化学は製造工場への技術支援、製品の引き取りを決定しており、製造工場の事業主体であるTREO社への出資についても、IRE社、JOGMECとともに検討。早ければ2011年初め頃から工場の着工を開始し、同年末に生産を開始する。豊田通商はインド産レアアースを12年から年間約3000-4000トン規模で確保できる見込みで、今後は開発中のベトナム産とともに供給体制を整えていく。

 

10月25日には日・印首脳会談が開催され、インド国内でのレアアースの開発や再利用に向け、日・印両国が協力することで一致し、共同声明が出されている。