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東レ、韓国にPPS樹脂の生産拠点を新設

2013年10月7日 (月)

アパレル東レは7日、韓国子会社の「東レ尖端素材」がポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂「トレリナ」を生産する新工場を開設すると発表した。

セマングム産業団地(全羅北道群山市)に、東レグループとして初の海外PPS樹脂生産拠点となる年産8600トンの設備を建設し、2016年4月からの稼働を目指す。これにより、既存の東レ東海工場とあわせた生産能力は年産2万7600トンに拡大する。

工場新設に際し、PPS樹脂の主原料・硫化水素ナトリウム(NaSH)、パラジクロロベンゼン(p-DCB)も自製することで、コスト競争力を持つ「主原料から樹脂の一貫生産拠点」とする。さらに、樹脂に意匠性や機能性の加工を施すためのコンパウンド設備も合わせて導入し、年産3300トンの能力で15年10月から先行して顧客への出荷開始を目指す。

新工場で生産したPPS樹脂は、韓国内消費分を除いて中国を中心とした東レグループのコンパウンド拠点へ供給し、グローバルな事業拡大を進める。PPS樹脂の需要拡大に対応するため、次期の増設計画の検討にも着手している。

PPS樹脂は、耐熱性や耐薬品性、機械的強度、難燃性などに優れた「スーパーエンプラ」で、自動車の電装部品や電機・電子機器、OA機器、住設関連部品などに使用され、採用領域が拡大。PPS樹脂コンパウンドの世界需要は7万トン(12年)と推定され、今後も年率8%以上の高成長が見込まれていることから、拡大する需要を取り込むために生産拠点の新設を決めた。

今回の生産拠点新設で、樹脂コンパウンド分野で今後の需要増が期待される高機能・環境対応製品への用途展開に取り組み、世界トップのポジションを強化する。