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国内荷動き、7-9月にV字回復、日通総研調べ

2013年10月25日 (金)

アパレル日通総合研究所は25日、9月分の企業物流短期動向調査をまとめた。国内向け出荷量「荷動き指数」は、7-9月実績(見込み)が前期(4-6月)実績から16ポイント上昇して+7と、2011年7-9月実績以来2年ぶりのプラスに浮上した。一方、10-12月は横ばいとなる見通しで、V字型の回復のあと、やや一服感がみられると予測した。

10-12月見通しの輸送機関別利用動向指数は、特別積合せトラックで弱含むものの、ほかの輸送機関では改善。この結果、宅配便が±0まで戻すほか、鉄道コンテナ、内航コンテナでもマイナス幅は縮小する。国内航空では利用の減退が続く見通し。

10-12月の輸出入貨物量荷動き指数は、全輸送機関で小幅ながら悪化する見込みで、外貿コンテナの輸出・輸入では引き続きプラスを維持するものの、国際航空の輸出・輸入ではマイナス幅がやや拡大し、回復に向けての足取りは重い。

■国内向け出荷量の動向
7-9月実績(見込み)の業種別荷動き指数は、パルプ・紙以外の業種で前期(4-6月)実績よりも上昇した。マイナスの業種は精密機械など3業種にとどまり、電気機械がゼロ水準で、残り11業種がプラスとなった。10-12月見通しでは、9業種で荷動き指数の上昇が見込まれる。

この結果、繊維・衣服など3業種がマイナス、化学・プラスチックなど3業種が±0で、木材・家具、その他の製造業など9業種がプラスになると予測した。

■輸送機関利用の動向
7-9月実績(見込み)の輸送機関別利用動向指数は、全輸送機関で前期(4-6月)実績よりも改善し、一般トラック、特別積合せトラックではプラスに浮上した。

10-12月見通しでは、特別積合せトラックで弱含みの動きがみられるが、残りの輸送機関では利用動向指数が改善する。この結果、宅配便が±0まで戻すほか、鉄道コンテナ、内航コンテナでもマイナス幅は縮小。国内航空では利用の減退が続く見通し。

■輸出入貨物量の動向
7-9月実績(見込み)の荷動き指数は、全輸送機関で前期(4-6月)実績よりも改善がみられ、外貿コンテナの輸出・輸入ではプラスとなった。一方、国際航空では輸出・輸入ともマイナスが続いている。

10-12月は、全輸送機関で小幅ながら荷動き指数が悪化する見込みで、外貿コンテナの輸出・輸入では引き続きプラスを維持するものの、国際航空の輸出・輸入ではマイナス幅がやや拡大し、回復に向けての足取りは重いと指摘した。

■在庫量と営業倉庫利用の動向
7-9月実績(見込み)の在庫量と営業倉庫保管量の動向をみると、すべての動向指数が前期(4-6月)実績よりも上昇した。この結果、営業倉庫保管量ではプラスに浮上し、製品在庫でも±0運賃・料金の動向
まで戻した。

10-12月見通しは、原材料在庫の動向指数が横ばいで推移する一方、製品在庫、営業倉庫保管量では低下が見込まれ、ともにマイナスに沈む。このため、在庫圧縮の圧力、営業倉庫保管量に対する削減圧力はやや強まると分析した。

■運賃・料金の動向
7-9月実績(見込み)の動向指数は、鉄道コンテナで±0にとどまる以外は、残る機関でプラスとなった。前期(4-6月)実績との比較では、鉄道コンテナ、国内航空では横ばいで推移したが、その他の機関で動向指数が上昇した。

10-12月見通しは、倉庫では横ばいで推移する一方、残りの機関で動向指数が上昇し、鉄道コンテナでもプラスとなる。また、特別積合せトラックなどでは増勢がさらに強まる見通し。

■物流コスト割合の動向
7-9月実績(見込み)の動向指数は、全15業種中13業種がプラスで、業種全体では+7と、前期(4-6月)実績からは3ポイント上昇した。

10-12月見通しでは、精密機械がマイナスに沈む一方、窯業・土石などでプラス幅が拡大する。この結果、業種全体の動向指数は+7と横ばいで推移し、物流コスト割合の拡大が続く見通し。