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中国ストレッチフィルム市場、物流用途で拡大持続

2013年12月19日 (木)

メディカル富士キメラ総研(東京都中央区)は18日、中国のプラスチックフィルム・シート市場の調査結果を発表した。2012年の市場規模は728万トン(前年比6.1%増)となり、15年には861万トン(12年比18.3%増)に成長する見通し。

このうちストレッチフィルムは、特に物流用途がけん引し、年率10%以上の拡大を持続。経済発展に伴う物流の増加により、製品や部品の出荷段階で、物流梱包資材として今後も市場拡大が期待され、15年の市場規模は55万トンと予測した。また、輸出も大手メーカーの大半が欧州、東南アジア、中東、南米、日本向けに展開している。

この調査は、富士キメラ総研が6月から10月にかけて、中国現地法人と連携して中国でのプラスチックフィルム・シート市場の調査を行った結果を報告書「2013年中国プラスチックフィルム・シート市場の展望」にまとめたもの。

報告書では、中国での食品、医薬、農業、建築、電気・電子などの産業でプラスチックフィルム・シートの生産と需要の動向を把握するため、原反フィルム・シート17品目、機能フィルム11品目現状を分析・予測した。

中国プラスチックフィルム・シートの12年の市場は6.1%増の728万トンで、浙江省、江蘇省、広東省など沿岸部での生産が中心。経済状況などで変動する可能性があるものの、15年の市場は12年比18.3%増の861万トンを予測。

原反フィルム・シートは6.1%増の623万トンで、15年には12年比で17.5%増の732万トンに拡大する見通し。農業用PEフィルムが全体の36%を占めており、次いでPETフィルムやA-PETシートの構成比が高い。PET系フィルムは、包装材料用途、工業材料用途で一定の需要があり、ほかには食品、洗浄用品、薬品などの包装で使われるL-LDPEフィルム(シーラント用)、導光板や拡散板などの光学用途で需要が多いPMMAシートの構成比が高かった。PCシートは、建材用途やLED用途で市場拡大が期待されている。

機能フィルムは5.1%増の104万トンで、工業製品、物流、牧草の保管に使われるストレッチフィルムが38%を占めている。シュリンクフィルムは、食品・飲料用途がビールや飲料などの市場拡大に伴って需要が増加。これら2品目に包装用アルミ蒸着フィルムを加えた3品目で機能フィルム市場の90%を構成している。

今後は、LiBセパレーターやITOスパッタリングフィルムなどの電子材料関連の市場拡大も加わり、15年の市場は130万トンに拡大する。

日本からは中国に対して10万トン以上のプラスチックフィルム・シートの輸出を行っており、特にPETフィルムなどの輸出量が多い。また、PETフィルム、容器用シート、ONYフィルム、電子材料用フィルムは現地生産化も進められている。

■報告書の概要
調査期間:2013年6-10月
資料タイトル:「2013年中国プラスチックフィルム・シート市場の展望」
体裁:A4判357頁
価格:12万円+税、CD-ROM付価格13万円+税
調査・編集:富士キメラ総研研究開発本部第ニ研究開発部門
TEL:03-3664-5839
FAX:03-3661-1414