LOGISTICS TODAY|国内最大の物流ニュースサイト

富士通研究所、車載カメラ向け車線逸脱警報技術を開発

道路幅補正による多重線路対応方式(出所:富士通研究所)

サービス・商品富士通研究所は10日、ドライブレコーダーとして車両に搭載される広角カメラ向けに、安全運転を支援する車線逸脱警報の技術を開発したと発表した。

これまでの車線逸脱警報の技術は、白線を遠方まで広く映せる狭角(望遠)カメラが必要で、近方の部分的な白線しか映らない広角カメラでは車線を正しく検出できず、要求される警報性能を満たせないことが課題となっていた。

富士通研究所が開発した技術は、路面の部分的な白線に対して走行のふらつきに伴う位置ずれを補正し、複数の路面画像を滑らかにつなぐことで路面全体の正しい車線形状を推定する仕組みで、広角カメラでも狭角カメラを用いた専用機と同等以上となる95%の警報性能を持つ車線逸脱警報を実現した。

この技術により、新たに専用カメラを設置しなくてもドライブレコーダに走行時の予防安全機能として車線逸脱警報を追加できるようになる。

実路で撮影した広角カメラ映像データ(160分)による評価を行ったところ、従来方式に比べて2倍の性能となる96%の割合で、性能基準を満足する精度(誤差30センチメートル以下)で白線までの距離を計測できることを確認した。

同社は今後、ドライブレコーダなどへの搭載に向け、2014年度中に技術の実用化を目指す。さらに、走行時の安全支援として運転者への警報だけでなく、ドライブレコーダで取得される走行逸脱状態による運転リスク分析への応用も視野に入れて研究開発を進める。