産業・一般
自動倉庫の積荷の量は常に変動しているが、同社が開発した工法はこうした変動にも対応できる。積荷の落下やラック自体の損傷を防ぎ、大地震後の事業継続性を高めることにつながる。
このため、戸田建設は揺れを低減する高い制震性能を持ちつつ、ローコスト化を可能としたワイヤーロープを利用した立体自動倉庫制震工法を開発。立体自動倉庫に地震が作用した場合、ラックは間口方向に大きく揺れ、頂部には大きな変形が生じるが、新開発の制震工法は、ラックの基部と頂部の間を制震装置を介したワイヤーロープで結ぶことで、ラック頂部に生じる変形を制震装置に伝達し、効率的なエネルギー吸収を図る。
筑波技術研究所の振動台を用いたパイロット実験では、東日本大震災時に関東で観測された地震に対し、頂部の応答加速度を2分の1程度に低減。この工法の低減効果が優れていることを確認した。また、解析により実験結果を高い精度でシミュレートできる。
今後は、立体自動倉庫を模した振動台実験を行い、ワイヤーロープを利用したこの制震工法の性能検証を行う。