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タグチップ内で複雑な処理を実行するため、小型化、消費電力を抑えることが困難だったこれまでのID秘匿認証(OMHSO)プロトコルと異なり、試作したRFIDタグチップはアナログ信号とデジタル信号の処理回路を1つの回路に集積することで回路規模の小型化と消費電力の低減を実現した。
電気通信大学がRFIDタグ全体の設計、日立がRFIDタグに適した暗号技術の選定と実装、サイバー創研がRFIDタグの電力評価を担当した。
スマートシティの分野では、RFIDタグを活用して人の位置や物の状態を把握し、日常生活に必要な電力量を調整するなど、利用者が所有するIDカードと組み合わせることで、効率的なサービスの提供が可能になる一方、RFIDタグはカードリーダなどで容易に読み取ることができるため、そのID情報を追跡されると個人のプライバシーを侵害されるリスクがある。
三者による試作品は、アナログ信号処理回路とデジタル信号処理回路を1つの回路に集積することで、ID情報を秘匿したまま認証を行うために必要なデジタル信号を処理する部分の回路規模の小型化と電力の効率化を図り、新電波法の特定小電力無線局に対応したUHF帯(920MHz帯)での動作確認に成功したもの。
これにより、ID値が固定となっていた従来のRFIDタグを用いたシステムと比べ、よりプライバシー性の高いシステムの実現が期待される。