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大林組、資機材自動搬送システム「低床式AGV」開発

▲低床式AGV

サービス・商品大林組は19日、建設現場の生産性を高める資機材の自動搬送システム「低床式AGV」を開発したと発表した。

日々、大量の資機材を繰り返し運ぶ建設現場では、搬送作業の省力化・省人化が生産性の大幅な向上につながることから、同社は2013年にAGV(無人搬送車)を用いた自動搬送システムを開発。

大規模な建設現場などに導入してきたが、従来の潜り込み式AGVは、磁気テープ上での走行を想定していたため、経路から外れた作業エリアへ資機材を搬送することができなかった。また、段差やスロープを走行できず、資機材を工事用の仮設エレベーターへ積み込めないため、上層階の作業エリアまで運べないことが課題となっていた。

▲無線コントローラー

そこで、同社は走行性やデザインなどを見直し、新たに低床式AGVを開発。無線コントローラーを使って磁気テープのないエリアへも自在に走行させることが可能で、段差やスロープを乗り越える。

シンプルでコンパクトな形状となったため、車体全体が資機材の下に完全に入り、資機材を積載したままで工事用の仮設エレベーターに乗り込めることから、上層階へ搬送する際、建設作業員による積み込み、積み降ろし作業がなくなる。

フォークリフトを使うと、エレベーターから資機材を運び出す際にいったんバックする必要があるが、低床式AGVであればバックや切り返しの必要がなく、廊下や狭い資機材ヤードでも切り返し動作なしで、進みたい方向へ資機材を搬送できる。積載荷重は従来の潜り込み式AGVと同じ1トン。

自動運転モードでは、貼り替え可能な磁気テープ、磁気パネルで設定した経路で自動搬送が可能。搬送先を設定すれば、元の場所と搬送先を繰り返し往復するため、搬送に労力がかからない。今後はICTを活用し、工事用の仮設エレベーターと連動させて指定した階の作業エリアまで、資機材を一気に自動搬送できるように改良を進めるという。

遠隔操作モードでは、無線コントローラーを操作し、遠隔から低床式AGVを動かすことができる。