財務・人事飯野海運が1月30日に発表した2014年4月から12月まで9か月間の決算は、燃料油価格の下落や既存契約の有利更改によって採算性の向上を図り、営業利益が13.4%増加した。
外航海運事業は、オイルタンカーが原油消費国で冬季の需要の増加、原油価格の下落による輸送需要の増加によって船舶供給量がタイトとなった影響で市況が好調に推移。ケミカルタンカーは、中国経済の成長鈍化、欧州景気に対する懸念、原油価格の先安感から石油化学製品の買い控えなどもあって輸送需要が低調に推移し、運賃市況も弱含みに転じた。
パームオイル輸送は、インドの季節的要因による秋の駆け込み需要でインド・パキスタン向け運賃市況は上昇したが、その後は荷動きが鈍り運賃市況が軟化。石油製品輸送は7月から市況が好転し、秋口以降も北米の寒波の影響で上昇した。
大型ガスキャリアのうち、LPGキャリアは米国からの輸送の増加で市況が堅調に推移、LNGキャリアは新造船の増加に対する新規需要が伸びず用船市況が低迷した。ドライバルクキャリアは9月以降見込んでいた市況の回復が見られず、下落基調で推移した。
[飯野海運]2015年3月期第3四半期連結決算(単位:百万円)
2015年3月期第3四半期 | 2014年3月期第3四半期 | 増減 | |
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売上高 | 75,968 | 72,151 | 5.3% |
営業利益 | 6,003 | 5,295 | 13.4% |
経常利益 | 4,777 | 4,225 | 13.1% |
当期純利益 | 4,927 | 4,930 | 0% |