LOGISTICS TODAY|国内最大の物流ニュースサイト

「社訓がサービスの根幹」、810人が入社式、ヤマトHD

話題ヤマトホールディングスは1日、東京都大田区の「羽田クロノゲート」でグループ入社式を行った。新入社員810人のうち、ヤマト運輸が529人を占めた。内訳は大卒357人、短大・専門卒76人、高卒377人。

入社式で、同社の山内雅喜社長は、ヤマトグループの歴史を振り返り、第3のイノベーションに位置付ける「バリュー・ネットワーキング」構想を通じて日本の成長に寄与したい、と述べた。

新入社員に対しては、社訓がサービスの根幹にあると強調した上で、常に目的を意識して自主性・主体性を持てるようにすること、世の中の変化に対応できるよう仕事を進めること――の2点を訓示した。

■「社訓がサービスの根幹」(山内雅喜社長による訓示、要約)
ヤマトグループの創業は1919年。その当時日本に204台しかなかったトラックのうち、
4台を保有してトラック輸送事業を開始した。その後、ヤマトグループは現在に至るま
でに2度のイノベーションを実現してきた。

第1のイノベーションは1929年の「路線便事業」の開始だ。それまでのトラック貸切輸送から、日本で初めて定期定区間の混載輸送を開始した。第2のイノベーションは1976年の「宅急便事業」の開始だ。宅急便事業はその後、顧客のニーズに合わせ次々と新たなサービスを拡充し、右肩上がりに成長してきた。

そして現在、第3のイノベーション「バリュー・ネットワーキング」構想を進めている。この「バリュー・ネットワーキング」構想では、ネットワークの革新を行うとともに、物流をコストからバリュー(付加価値)を生み出す手段に進化させ、物流の改革を通じて、日本の成長に寄与したいと考えている。

創業から受け継がれている最も大切なもの、それが社訓だ。「ヤマトは我なり」は全員経営、「運送行為は委託者の意思の延長と知るべし」はサービス第一を、「思想を堅実に礼節を重んずべし」はコンプライアンス重視を表している。この社訓はヤマトグループのサービスの根幹だ。

さらに、伸びる企業の条件は「シッカリとした経営理念」「イキイキとした社員」そして「ワクワクするような革新的戦略」だと考えている。ヤマトグループもしっかりとこれを満たせる企業を目指していきたい。

新入社員のみなさんにお願いしたいことは2つ。

今後仕事に取り組む際には、常にその目的を意識してほしい。目的の持ち方によって、仕事の進め方は変わる。また目的を意識して行うことで、はじめて自主性・主体性が生まれてくる。

今、社会の構造や生活環境はとても早いスピードで変化している。ヤマトグループもその時の社会や顧客のニーズにあった新たな価値を提供していく必要がある。そのためには、まず自分たちが変化にしっかり対応すること。その点を常に意識して仕事をしてもらいたい。