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ヤマト、郵政部会答申案を「議論すり替え」と非難

ロジスティクスヤマト運輸は11日、情報通信審議会郵政政策部会が8月26日に提出した「郵政事業のユニバーサルサービス確保と郵便・信書便市場の活性化方策の在り方」答申案に対し、「ユニバーサルサービス以外の事業まで含めた日本郵便に対する優遇をさらに強めることに議論をすり替えている」と厳しく非難するコメントを発表した。

郵便事業と貨物事業の会計分離を厳格化し、次いで「郵便事業に含まれる各事業・サービスごとの収支状況を徹底的に開示」することが必要との考えを示した上で、「ユニバーサルサービスとして維持するべき事業・サービスを特定し、それが全体としてやむを得ず赤字となる場合に限り、最小限の優遇措置を公平公正に実施すべき」と強調した。

ヤマト運輸の反論ではまず、答申案がユニバーサルサービスとしている範囲について「本当に国民生活にとって不可欠な範囲なのかどうか、いまだ十分に議論が尽くされているとは言い難い」と疑問を示し、「範囲が曖昧なまま優遇措置を講じることは、今後、拡大解釈がなされた場合、国民負担が増大するだけでなく、ユニバーサルサービス以外の領域のイコールフッティングをも阻害し、結果として国民の利便性の低下につながりかねない」と指摘。

その上で自社の見解として、答申案では「ゆうパックなどの荷物・速達・代金引換・年賀特別郵便などを除く郵便全般をユニバーサルサービスの範囲としている」ことについて「信書と非信書の送達が混在している郵便事業全体ではなく、信書の送達のみに限定すべき」と主張した。

また、日本郵便の業務区分収支が答申案でユニバーサルサービスとしている郵便、銀行窓口、保険窓口業務については、「すべて黒字となっており、赤字の『その他事業』を含めて全体でも黒字となっているにもかかわらず、なぜ優遇措置が必要なのか」と異議を唱え、「貨物事業を含むその他事業の赤字を補てんするための優遇措置」だと否定的な見方を示した。