ロジスティクス阪急阪神エクスプレスは7日、ミャンマーのゾウキャンプから、アジアゾウ4頭を札幌市円山動物園へ輸送したと発表した。
札幌市円山動物園では、2007年にアジアゾウの「花子」が死亡して以降、絶滅危惧種の保存と環境教育の推進を目的としてアジアゾウの導入計画を進めていたが、14年にミャンマー政府と札幌市との基本合意が整い、「動物交換プログラム」に基づき今回の輸送が実現した。
■ミャンマー側で輸出を担当した阪急阪神エクスプレス(ミャンマー)の陰山嘉宏氏(セールスマネジャー)のコメント
1年に及ぶプロジェクトだったが、積込み場所であるゾウのキャンプ地や道路状況の下見から始まり、関係省庁との折衝や書類のアレンジなど、在ミャンマー日本大使館のご協力も頂きながら調整に追われる毎日だった。フライト当日もヤンゴン空港滑走路の緊急補修工事という想定外の事態が発生し、フライトが4時間近く遅れる結果となったが、関係各所のサポートと理解のもと、どうにか臨機応変に対応することができた。
■阪急阪神エクスプレス動物輸送チームの鈴木卓也氏(東日本営業本部輸入営業部営業一課副課長)のコメント
今回のプロジェクトでは、事前の打合せと輸送当日のヤンゴン空港までの立会いでミャンマーに2回出張、輸送直前の2か月間は寝ている間もプロジェクトのことが頭から離れないほどだった。
日本側でも検疫やワシントン条約、免税関係など書類の手配は多岐に渡るが、加えて「防寒対策」が大きな課題だった。ゾウが検疫・通関の為待機する空港内輸入上屋の大型テント内を予めジェットヒーターで暖めるとともに、検疫所・税関のご協力を頂き、輸入許可までのリードタイムを最大限短縮した。円山動物園までのトラック輸送では、檻に毛布と防水シートをかぶせ荷台を幌で覆って採暖し、檻にはモニター付き温度計を設置し5度を切らないよう運転席から随時確認、ミャンマーから足掛け2日を経て深夜にゾウ舎搬入を終えた時には心底安堵した。