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富士ゼロックス、ベトナムの生産拠点が稼働

ロジスティクス富士ゼロックス(東京都港区)は19日、ベトナム・ハイフォン市で新生産会社「富士ゼロックスハイフォン」を稼働すると発表した。90億円を投資し、2012年8月に設立した新会社は15年度末までにフル稼働に入る。同社のアジア生産ハブとして、全世界に向けて商品を供給する。

富士ゼロックスハイフォンは、グローバル市場の需要拡大に対応するため、デジタルカラー複合機、小型LEDプリンターのほか、これらのデバイス用のプリント基板やドラムカートリッジ用部品などの基幹部品を生産、生産能力は年間200万台となっている。

ベトナムに開設したのは、情報機器などの産業が集約しつつあり、中国、タイ、ASEAN各国と広域陸送網で結ばれ、サプライチェーンが組みやすい利点があるため。ハイフォン市はベトナム第3の都市で、北部最大の港湾都市でもある。

富士ゼロックスは生産の効率化とリードタイムの短縮を実現するため、開発と生産のプラットホーム化を推進し、複数機種に使用可能な共通モジュールを開発することにより、富士ゼロックスハイフォンでは同一ラインで複数機種を生産する。「Built by Market」のコンセプトに基づき、工場出荷前の最終工程、設置先に近い流通倉庫、顧客先での設置時といった場で固有の仕様を商品に追加することにより、顧客の多様な要望に対応する。

富士ゼロックスハイフォンでは、部品生産と商品組立ラインを垂直統合して生産を同期させることにより、生産効率の向上を図る。また、部品をアジア全域から調達することでコストを低減し、アジア太平洋の新興市場・米国・欧州に向けて競争力のある商品を生産する。

生産プロセスに影響を与えるさまざまな状況に迅速に対応するため、富士ゼロックスのほかの生産拠点で使用している生産管理システムを富士ゼロックスハイフォンでも導入する。生産プロセスで必要となる、設計や部品の品質に関する情報などを一元管理し、どの生産拠点でもリアルタイムに把握できるようにする。

また、分散生産体制を確立するため、富士ゼロックスの他の生産拠点との生産設備や冶具の共通化を加速。中国、ベトナムの量産拠点から、世界中の顧客にタイムリーに商品を届ける。

■富士ゼロックスハイフォン概要
設立:2012年8月
所在地:ベトナム・ハイフォン市(VSIPハイフォン工業団地内)
従業員数:創業時約500人
業務内容:複写機・複合機・プリンター・関連部品の製造、輸出販売
生産能力:200万台/年
投資(工場・建屋・設備):90億円
敷地面積:17万6700平方メートル
工場棟建築面積:5万7563平方メートル