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OVOLシンガポール、貿易書類のデータ入力自動化

ロジスティクスアライズイノベーション(東京都中央区)とNTTアドバンステクノロジ(川崎市幸区)は29日、紙・包装資材卸のオヴォール・シンガポール(OVOLシンガポール)が、AI機能を持つ光学式文字読み取り装置(OCR)のクラウド型サービス「AIリード・オン・クラウド」と、ロボティック・プロセス・オートメーション(RPA)ツールの「ウィンアクター」を連携させたサービスを初めて導入し、10月から本格運用を開始する、と発表した。

オヴォール・シンガポールが導入するのは、アライズイノベーションとNTTアドバンステクノロジのサービスを組み合わせたもので、これまで手作業で行っていた「船積書類から統合業務ソフト(ERP)へのデータ入力業務」を自動化し、稼働時間やコスト削減につなげる狙い。

船積書類にはインボイスやパッキングリスト、船荷証券など、非定型な書類が多くあるが、AIリーダー・オン・クラウドを利用することで、1つのPDFファイルで一括読取を行った場合でもページごとに自動判別で帳票を仕分け、非定型の帳票から適切なデータのみを抽出できる。

オヴォール・シンガポールは日本紙パルプ商事の子会社。紙の輸出入業務で取引先から受け取る船積書類をもとに最小管理単位(SKU)ごとの数量や船荷証券番号などの確定情報をERPへ手入力してきた。書類が取引先ごとに異なるため、従業員の経験やノウハウに依存し、計算ミスを誘発するなど作業品質の低下が課題だった。

アライズイノベーションとNTTアドバンステクノロジは今後、本格運用に向けた準備を進めるとともに、ウィンアクターの拡張機能として提供されるチャットサービス「ウィンアクター・ブレイン・ナルカミ」を利用し、企業が海外で取り組む「高度なデジタルトランスフォーメーション」を支援する。