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NEDO、大型トラック3台の隊列走行実験に成功

話題新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は28日、省エネルギー効果が期待される高度道路交通システム(ITS)の早期実用化を目指すエネルギーITS推進プロジェクトの一環として、隊列走行実験車を開発、大型トラック3台による時速80キロメートル、車間距離15メートルの隊列走行実験に成功した、と発表した。

 

2012年度末までに、大型トラックと小型トラック合計4台で車間距離4メートルの隊列走行の実現を目指す。また、エネルギーITSの施策がCO2削減にどの程度寄与したかを正しく計測する評価ツールのプロトタイプも開発。今後、機能の強化と精度の検証を進め、国際的に信頼される評価方法の確立を目指す。

 

今回の実験では、隊列走行プロトタイプ実験車(25トン大型トラック)を開発し、時速80キロメートル、車間距離15メートルでの3台隊列走行実験に成功した。曇天や晴天、雨天、夜間などの環境条件下で自動での車線保持、車間距離制御を行い、車間距離制御精度は15メートル(プラスマイナス1メートル)を達成している。

 

海外を含めて過去の隊列走行プロジェクトは、システムの信頼性の問題や磁気ネイルなどのインフラの整備コストなど、実用上の課題が多く、実用化には至らなかった。今回開発した隊列走行実験車は、特別なインフラ設備を必要とせず、信頼性の高い自律システムであることが特長で、センサ系・制御系・アクチュエータ系すべてについて多重化を図っている。

 

車間距離を短くして隊列走行することにより空気抵抗が低減され、約15%の省エネ効果が見込まれる。また、車間距離を詰めることで現状の道路幅員を維持したまま交通容量を増大(単位道路距離あたりの走行台数が増加)でき、交通流の円滑化効果も期待される。

 

また、プロジェクトで開発した自動操舵システムや車車間通信を用いた車間距離制御システムなどは、各種の運転支援システムの高度化にも転用可能。今後は、フェイルセーフECUの搭載などにより制御システムの安全性・信頼性を確保し、今年度末には車間距離10メートルを達成できる見込み。また、12年度末までに小型トラックを含めた4台隊列で車間距離4メートルの隊列走行を実現する。

 

■詳細は下記URLを参照。
https://app3.infoc.nedo.go.jp/informations/koubo/kaiken/AA5/nedopressorder.2010-09-27.4247175943/