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JR貨物、4-6月期の運休2000本以上、前期比21倍

話題日本貨物鉄道(JR貨物)は13日、今年度第1四半期(4-6月)の輸送動向をまとめた。第1四半期は、東日本大震災により東北線と常磐線が不通となり、4月21日に東北線が運転再開するまでの間、日本海縦貫線を経由した迂回列車の運転、トラック・船舶を活用した広範囲にわたる代行輸送を実施した。

 

しかし、津波により大きな被害を受けた常磐線は、福島第一原子力発電所の事故により、被害状況の確認が進まず、現在も復旧のめどが立っていないという。

 

東日本大震災に伴う列車運休は高速貨が1767本、専貨が128本となった。このほか、大雨による輸送障害も発生し、4-6月期全体で高速貨1885本、専貨138本が運休した。前年同期の運休本数は高速貨が94本、専貨2本。

 

荷動きは、震災に伴う線路の寸断に加え、製造業各社の被災に伴う操業停止、部品のサプライチェーン寸断による生産低迷の影響が大きく、大幅な減送となった。

 

コンテナ貨物は、東北地方の生産拠点の多くが被災した紙・パルプをはじめ、食料工業品、自動車部品などすべての品目が前年同期実績を下回り、11.5%の減少となった。

 

車扱貨物は、セメント・石灰石が前年を上回ったものの、石油などが大きく減少し、全体では12.1%減。石油は製油所の被災、線路の不通に加え、燃料価格の高騰に伴う需要減が重なり、大幅な減送となった。

 

3月18日から4月19日まで日本海縦貫線や磐越西線を経由した被災地向けの臨時石油列車は、現在も開通した東北線を利用して運行を継続している。また、セメント・石灰石は、セメントが前年の定期修理に伴う出荷停止の反動で増送となった。