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これまで浜田港から海路、スエズ運河を経由してサンクトペテルブルク港に輸送していたケースと比較。ウラジオストク港までの海上輸送とウラジオ-モスクワ間の鉄道輸送を組み合わせた結果、45日かかっていた輸送日数が最短で6割に当たる26日間に短縮できることが分かった。また、輸送費用は従来ルートとほぼ同額、輸送品質も「ほとんど破損することなく輸送できることが確認できた」としている。
輸送実験は石州瓦6418枚を20フィートコンテナ1個、サイディングボード980枚を40フィートコンテナ1個に積載。生産地から浜田港までをトラックで輸送し、浜田港-釜山港-ウラジオストク港の1059キロメートルをコンテナ船で海上輸送、ウラジオストクで通関を経てシベリア鉄道に積み替え、モスクワ駅まで陸路9289キロメートルを鉄道で輸送した。
輸送日数は石州瓦が42日、サイディングボードが41日を要したが、ウラジオストクで積荷状態を確認するのに7日、欧州の大寒波の影響でバルト海の船舶航行が困難となったためにロシア西部方面向けのシベリア鉄道に貨物が集中したことによる遅延で9日を要するなど、特殊要因による日数を除けば、最短26日間で輸送できる見込みを確認した。
費用は石州瓦が1TEU換算で44万円、サイディングボードが同68万円となり、それぞれ従来コストの43万円、60万円と比べ、「20フィートはほぼ同額で輸送できることが分かった」としている。40フィートの場合は約14%程度割高となった。
品質面では、石州瓦が6418枚中1枚が、サイディングボードは980枚中53枚の端部が破損したが、中国地方整備局では「ダメージは想定の範囲内であり、梱包、コンテナ内での固定方法の改善により、さらなる破損防止を図ることが可能」とみて、「ほとんど破損することなく輸送できることを確認した」と評価している。