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海運モーダルシフト大賞に日本製紙クレシア・ロッテ

認証・表彰国土交通省は9日、2025年度の「海運モーダルシフト大賞」と「優良事業者表彰」の選定結果を公表した。海上輸送へのモーダルシフトに特に貢献した24件46社を表彰し、このうち革新性や継続性が高いと評価した2件4社に海運モーダルシフト大賞を授与する。表彰式は18日に都内で開く。

今回の大賞は、日本製紙クレシアとロジネットジャパン西日本(大阪市北区)による家庭紙輸送、ロッテと曙運輸(埼玉県越谷市)による冷凍冷蔵輸送の2案件が選ばれた。いずれも単なる陸送から海送への切り替えにとどまらず、積載効率の改善や運用の継続、設備面の工夫まで含めて海上輸送の定着を図った点が評価された。

日本製紙クレシアの案件は、宮城県石巻市から関西向けの家庭紙輸送で、仙台港-名古屋港のフェリー航路を継続利用したもの。軽量貨物である家庭紙の特性に合わせ、40フィート背高コンテナシャーシを採用し、パレットの2段積載を可能にした。これにより14.3%の積載効率向上を実現し、1車あたり36パレットの固定ロット化で出荷計画や在庫管理の安定化にもつなげた。陸送主体だった従来と比べ、CO2排出量を50%削減し、トラック運転手の労働時間も年間1万3803時間削減したとしている。24年問題への対応と輸送標準化を同時に進めた事例といえる。

(クリックで拡大、出所:国土交通省)

ロッテの案件は、有明港-博多港の内航船を使った冷凍冷蔵品輸送で、電源付き無人トラックの乗船を07年から継続している点が特徴だ。24年7月からは1日あたりの乗船台数を上下各1台から3台へ増やし、海上輸送の比重を一段と引き上げた。船内電源を活用することで冷凍機の発電機稼働を抑え、輸送時だけでなく冷凍機由来のCO2削減にも寄与する。低床10トン車やシートパレットの採用で庫内容積を有効活用し、1運行あたりの輸送量を高めた結果、CO2排出量は40%削減、運転手労働時間は年間1万800時間削減した。

優良事業者表彰では、食品、飲料、青果物、化学品、電線、乳製品、半導体製造装置、建築用木材、楽器など幅広い品目で海上輸送への切り替えや利用拡大が認められた。航路も大洗-苫小牧、横須賀-新門司、新門司-横須賀、大分-神戸、博多-東京、大分-東京、苅田-東京、千葉-大阪など多岐にわたり、フェリーだけでなくRORO船の活用も広がっている。

今回の受賞案件をみると、荷主単独ではなく物流事業者と組んだ取り組みが中心で、モーダルシフトが「輸送手段の変更」ではなく、荷姿設計、積載方式、車両仕様、在庫運用まで含めた幹線輸送設計の見直しになっていることが分かる。とくに24年問題以降は、ドライバー拘束時間の削減と幹線輸送の持続性確保が重要課題となっており、海運利用はCO2削減策であると同時に、労働力制約への対応策としての意味合いを強めている。

一方で、表彰基準は海上輸送比率50%以上、または海上輸送利用によるCO2排出量15%以上削減とされており、一定規模の物量と安定運用が前提となる。裏を返せば、すべての貨物で直ちに適用できるわけではなく、積載効率、港までの横持ち、リードタイム、着地側の配送網まで含めた全体設計が不可欠ということでもある。

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