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常石造船と常石鉄工、フィリピンに酸洗い工場新設

2026年10月23日 (金)

荷主常石造船(広島県福山市)と常石鉄工(同)は21日、フィリピン・セブ州に酸洗い工場を新設し、運用を開始したと発表した。常石グループの造船事業で酸洗い設備を保有するのは初めて。新燃料船向けステンレス配管の製作から酸洗いまでを現地で一貫して行う体制を構築した。

新工場は常石造船の海外拠点「TSUNEISHI HEAVY INDUSTRIES (CEBU)」(THI)が敷地内に建設し、常石鉄工の海外拠点「TSUNETETSU (CEBU)」(TCI)が運用と酸洗い作業を担う。酸洗い処理能力はステンレス配管で月最大60トン、鋼管を含む工場全体で月最大100トンとなる。

▲フィリピン拠点に新設した酸洗い工場(出所:常石グループ)

常石造船が建造を推進するメタノールなどの新燃料船では、燃料供給系統などに耐食性に優れたステンレス配管を使用する。配管の製造にはTIG溶接に加え、溶接後の酸化皮膜や汚れを除去して耐食性を高める酸洗い工程が不可欠という。

従来、フィリピン拠点では鋼管の酸洗いを現地業者へ外注していた。一方、ステンレス配管の酸洗いは対応事業者がなかったため、日本での加工と輸送に依存していた。新工場の稼働により、ステンレス配管の製作から酸洗いまでを現地で完結できるようになり、リードタイムを短縮し、安定供給体制を確立した。THIで必要な配管をより安定して調達できるようになることで、建造効率の向上も期待する。

常石鉄工は国内のステンレス配管工場で製造を担うほか、TIG溶接技能者の育成や資格取得を進めている。日本で技術を習得したフィリピン人スタッフが帰国後にTCIで活躍するなど、拠点間の人材交流にも取り組む。中国の常石(舟山)鉄工では、メタノール二元燃料コンテナ船の建造に対応する配管工場を整備し、耐圧試験やフラッシング(管内洗浄)を含む製造体制を構築している。

常石造船と常石鉄工は今後も、新燃料船向け部材の製造基盤と供給体制を強化し、海事業界の低炭素・脱炭素化への貢献を目指す。

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