話題2025年に先進的な点呼制度の選択肢が広がり、物流業界が転換点を迎えるなか、「日中は対面でコミュニケーションを取り、深夜早朝は自動点呼に任せる」といった、自社の状況に合わせた点呼手段の使い分けが可能になっている。
GOドライブ(東京都千代田区)が提供する「GO運転管理」は、専用ロボットやPCを必要とせず、ドライバーのスマートフォン1台で対面・電話・遠隔・自動の各点呼に対応するSaaS型サービス。点呼に加え、出退勤の打刻やステータス記録もアプリ上で行え、出先やトラックの運転席からの利用にも対応する。
LOGISTICS TODAYとGOドライブは7月1日から、実際の運送現場での使い勝手や導入効果を検証する読者参加型の「GO運転管理 実証トライアルキャンペーン」を開始した。参加したのは、カワキタエクスプレス(三重県亀山市)、ハンナ(奈良県奈良市)、ホイテクノ(愛知県蒲郡市)の3社。運用開始から2か月が経過し、各社で見えてきた効果と課題を追った。
カワキタエクスプレス、費用負担を軽減しながらの本格導入にめど
カワキタエクスプレスでは、社内の全ドライバーを対象として「GO運転管理」のトライアル運用を進めており、業務運用は漏れなく円滑に進行している。導入コストの面においては、アルコール検知器や血圧計などの購入費用の一部を対象とする国土交通省の補助金申請が活用可能となったことで、費用負担を軽減しながらの本格展開にめどが立っている。

▲三重県亀山市のカワキタエクスプレス
運用効率化の面では、システム上での定期スケジュール一括登録機能を活用し、毎週の予定作成にかかる工数を削減している。また、現場の運行管理者からは「登録ミスの起きにくい設計となっており、実運用がしやすい」との評価を得た。

▲カワキタエクスプレスの川北辰実社長
コンプライアンス面でも、点検・検知記録の履歴画面確認やデータエクスポート(CSV出力)機能を活用することで、法的要件を満たした記録管理と監査時の提示が簡便に行える体制が確認された。
ハンナ、所沢営業所で自動点呼先行導入決定
奈良県に本社を置くハンナでは、帰庫時におけるドライバーの混雑や点呼待ち時間の短縮が課題となっていたが、業務前は対面点呼、業務後は「共有モード」を活用した自動点呼を組み合わせる運用を考案。これにより、帰庫時の待ち時間を削減しつつ、運行データの確認やドライバーへの適切なフィードバック時間を確保する高効率な運用を実現している。また、ドライバー1人あたり月額600円というコスト面についても、費用対効果の高さから十分許容範囲であると評価された。

▲奈良県のハンナ
ハンナでは、トライアルに参加していたドライバーが埼玉県の所沢営業所に異動することに伴い、自動点呼の先行導入を決定した。同営業所は新規立ち上げの拠点だが、点呼の際にドライバーが、離れた場所に有る事務所と車庫を移動しなければならないことが課題となっていた。同社の運行管理者によると「対面点呼しかできない体制であれば、ドライバーは事務所に出勤して点呼を受け、車庫に移動して業務に入る必要があった。『GO運転管理』であればドライバーは直接車庫に出勤して運転席で点呼を受け、業務に入ることができる。運行管理者とドライバーの負荷を軽減し、スムーズな業務フローが組めることが導入の決め手となった」という。

▲ハンナのドライバーが運転席で点呼を受ける様子
導入にあたっては、埼玉運輸支局への変更届出などの行政申請が必要となるが、過去の奈良本社での申請実績に基づいた書類作成サポートなどが進められており、スムーズな拠点展開に向けた体制が整えられている。ドライバーはトラックの運転席から点呼を行う運用となる。
ホイテクノ、ITリテラシーの差が導入進捗の壁に
愛知県に拠点を置くホイテクノでは、豊川支店を中心に土曜運行のあるドライバー3人を対象としたトライアル運用を開始した。実証エリアでは電波環境が課題視されていたサービスエリアなどもあり、良好とは言いがたい環境も含めた操作性検証が進められている。
20人から30人規模のドライバーが常時在籍し、朝4時から夜22時まで幹線・食品輸送を担う浜町支店などへの展開を見据えると、自動点呼への期待は非常に高い。特に土日や夜間の運行において、将来的に専用の点呼担当者を常駐させることが難しくなる見込みがあり、こうした点呼体制の省力化・遠隔化は不可避な課題となっている。
運用初期のレクチャーを経て検証を進めた結果、同社ではドライバー個々のスマートフォン操作への習熟度(ITリテラシー)によって導入の進捗に差が生じることが明らかとなった。3人中1人は順調に日常使いを始めているものの、他のドライバーでは始業前の自動点呼手順を完了しきれないケースも見られ、想定以上に現場への浸透・意識づけのフォローが重要となる点が浮き彫りとなった。
今後は現場の操作習熟に向けたサポートを強化しつつ、多拠点展開に向けた運用確立を目指す。
今回のヒアリングを通じ、自動点呼を巡り、各事業者の現場課題が浮き彫りとなった。GOドライブは導入に伴うこれらの課題に対し、社内展開を容易にするための動画教材(YouTube等での提供)や各種マニュアルの充実を図るとともに、引き続き導入企業の運用データを検証し、正式導入に向けたインタビューや事例紹介を順次公開していくとしている。
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