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全ト協調べ

16年10-12月のトラック運送景況感、17.3P改善

2017年2月10日 (金)

調査・データ全日本トラック協会(全ト協)が10日に発表した、2016年10-12月期のトラック運送業界の景況感速報によると、昨年同期に比べ景況感の判断指数は-12.8となって前回の-30.1から17.3ポイント改善したことがわかった。

輸送数量や実働率、実車率が大幅に改善した。さらに燃料価格の下落が寄与したことにより、営業利益・経常利益も大幅な改善となった。

来期(1-3月期)の判断指数は、OPECの減産合意による原油高の懸念やドライバー不足などを反映し、今回より11.6ポイント悪化して-24.4の見通しとなっている。

■一般貨物、輸送数量の判断指標2.4P改善
一般貨物では、輸送数量を「減少」とする事業者が28.4%、「増加」が23%で、判断指標は-7.3%となり、前回(-16.8)から9.5ポイント改善。営業収入では減少が30.2%、増加が25.2%で、判断指標は-7%となり、前回(-16.3)から9.3ポイント上昇。営業利益は減少が29.1%、増加が21.9%で判断指標は-9.5となり、前回(-11.9)から2.4ポイント改善。

来期は輸送数量はほぼ横ばい、営業収入はやや悪化、営業利益は悪化の見込み。

■宅配貨物の判断指標39.5P改善
宅配貨物は輸送数量の減少が21.6%、増加が37.8%で、判断指標は16.2となり、前回(-23.3)から39.5ポイント改善した。営業収入では減少が27%、増加が40.5%で、判断指標は13.5となり、前回(-10)から23.5ポイント改善。営業利益は減少が24.3%、増加が29.7%で、判断指標は2.7となり、前回(-3.3)から6ポイント改善した。

宅配以外の特積貨物では、輸送数量は減少が34%、増加が24.5%で、判断指標は-9.4となり、前回(-26)から16.6ポイント改善。営業収入は減少が37.7%、増加が20.8%で、判断指標は-17となり、前回(-14)から3ポイント悪化した。営業利益でも減少が26.4%、増加が26.4%で、判断指標は1.9となり、前回(-10)から11.9ポイント改善した。

来期は、宅配貨物の輸送数量・営業利益が悪化、営業収入はやや悪化の見込み。宅配以外の特積貨物は、輸送数量がほぼ横ばい、営業収入はやや改善、営業利益は悪化の見込み。

■運賃・料金水準、特積貨物が10.8ポイント上昇
運賃・料金水準は、一般貨物が-2.7(前回-4.1)と1.4ポイント改善、宅配貨物は-8.1(前回6.7)と10.8ポイント上昇、宅配以外の特積貨物は7.5で(前回8)から0.5ポイント悪化となっている。

来期は一般貨物がほぼ横ばい、宅配貨物はわずかに低下、宅配以外の特積貨物はやや低下の見込みとなっている。

■労働力不足感強まる
実働率は-3.7(前回-16)と12.3ポイント改善、実車率は-3.3(前回-14.1)となり、10.8ポイント改善となった。雇用状況(労働力の過不足)は77.3(前回71.8)と5.5ポイント上昇し、不足感が強くなった。

採用状況は-6.6(前回-11.5)で指標は4.9ポイント増加し、所定外労働時間は-2.4(前回-11.7)と9.3ポイント増加している。貨物の再委託(下請運送会社への委託割合)は0.4(前回-10.8)で11.2ポイント増加となった。経常損益は-1.8(前回-13.3)となり、11.5ポイント改善となった。

来期は実働率、実車率はやや悪化の見込み。雇用状況は指標の水準を上げ、不足感が強まる見込み。採用状況はほぼ横ばい、所定外労働時間、貨物の再委託はやや悪化、経常損益は指標の水準を下げる見込み。

■中・小規模事業者が改善
事業者の規模別では、大規模事業者が-2.2(前回-22.6)と20.4ポイント改善、中規模事業者は-10.6(前回-26.6)となり、16ポイント改善、小規模事業者は-20(前回-38.6)と18.6ポイント改善となっている。

一般貨物の主な取り扱い品目別では、消費関連貨物が-8.7(前回-25.4)と16.7ポイント改善、建設関連貨物が2.7(前回-30.1)と32.8ポイント改善、機械関連貨物が-27.3(前回-24.7)と2.6ポイント悪化、「その他貨物」が-19.9(前回-36.9)と17ポイント改善。

一般貨物業界の景況感を地域別にみると、北海道、関東、北陸信越、中部、近畿、四国は水準を上げているが、吸収はほぼ横ばい。

来期は規模別で大規模事業者、中規模事業者が悪化、小規模事業者がやや悪化の見込み。

取り扱い品目別では、消費関連貨物、機械関連貨物、機械関連貨物は水準を下げ、その他貨物はやや悪化の見込み。地域別では、北海道、東北、北陸信越、四国、九州が水準を下げ、近畿はほぼ横ばいの見込みとなっている。