ロジスティクス川崎重工業は20日、ルーマニアの国営ガス輸送会社トランスガスと、陸上パイプラインによる水素ガス輸送に関する戦略的提携で合意し、覚書を締結したと発表した。両社は中東欧での大規模な水素輸送網の構築を視野に、ルーマニア国内で純水素を使った実証試験に着手する。
協業では、トランスガスが持つ天然ガスパイプラインの運用知見と、川崎重工の遠心式水素圧縮機「KM Comp-H2」を組み合わせる。第一段階として、ルーマニア国内の陸上パイプラインで純水素を輸送し、圧縮機を用いた大容量輸送の実現性を検証する。川崎重工によると、パイプラインを使った大規模な水素ガス輸送を対象とする同種の実証は世界初としている。

▲MOU締結の様子(出所:川崎重工業)
今回の取り組みは、経済産業省の「グローバルサウス未来志向型共創等事業」に採択された実証事業の一環。ルーマニアを中東欧の水素供給拠点として位置付け、周辺国への安定供給につなげる輸送モデルの構築を目指す。
水素の大量輸送では、輸送コストの低減に加え、高圧化に必要な圧縮設備の効率や設置スペースが課題となる。川崎重工は今回の実証を通じて遠心式圧縮機の適用性を確認し、将来的にはタービンやエンジン、運搬船、貯蔵タンクなど既存の水素関連事業と組み合わせたサプライチェーン構築につなげる考えだ。
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