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埋立事業はピーク時1220億円の基金残高が今年度末62億円に

大阪市の港湾施設事業、17年度から単年度資金不足

2014年10月28日 (火)

行政・団体大阪市港湾局は27日、港湾事業会計のうち港湾施設提供事業と大阪港埋立事業を対象とした向こう10年間の長期収支見込を作成、公表した。

港湾施設提供事業で市が試算した長期収支見込では、17年度から23年度にかけて単年度資金不足が発生すると予測。国によるC12荷さばき地の土地取得、老朽化施設の売却・廃止などによって累積資金不足は回避できる見込みだが、使用料収入など不確定要素が多く含まれていることから、「相当な幅で変動する可能性がある」と指摘している。

こうした試算結果を受け、市は「さらなる高コスト体質の改善が急務」「利用率の向上などによる増益確保策の検討が必要」と強調した。

港湾施設提供事業は、埠頭利用の転換に伴う収益の減少、施設の老朽化に伴う補修費の増加、大阪港埋立事業も企業の土地保有ニーズの変化で今後の土地売却状況が不透明だとして、厳しい状況が続くと想定。長期収支見込によって財務リスクを把握し、経営健全化を図るに試算したもの。

具体的にはは、大阪港で荷さばき地91万8081平方メートル、貯炭場8404平方メートル、付設事務所51か所、上屋81棟、荷役機器2基を提供している事業で、売上高にあたる営業収益は2008年度の66億円から年々減少し、13年度は27億円減の39億円まで落ち込んでいる。一方、営業費用は08年度の54億円から13年度の42億円まで12億円まで減少幅が小さく、10年度からは単年度営業赤字が続いている。

赤字は企業債などで賄ってきたが、14年度から年平均13億円と多額の償還が見込まれている。

また、大阪港埋立事業は1992年末に1220億円となっていた基金残高が減少し続け、14年度末に62億円となる見込みで、16年度からは単年度の資金不足に陥る。