調査・データ帝国データバンク(TDB)は8日、今年上半期(1月-6月)の企業倒産が5003件となり、上半期としては2013年以来12年ぶりに5000件を超えたと発表した。サービス業や建設業が増加する中、運輸業は190件で前年上半期に比べ59件減少し、減少幅が最も大きかった。また、今年6月の倒産件数は869件で、6月としては過去10年で最多件数となった。
同社によると今年上半期の倒産件数は、前年同期から116件(2.4%)増え、3年連続で前年を上回った。負債総額は6776億8700万円で前年同期比0.5%減となり、上半期としては3年連続で前年を下回った。負債額「5000万円未満」が全体の63.2%を占め、構成比は2000年以降で最高となるなど、小規模企業の倒産が目立った。
業種別にみると、全7業種中4業種で前年を上回った。「サービス業」の1329件(同8.2%増)が最も多く、2000年以降の最多件数だった。
地域別にみると、9地域中6地域が前年を上回った。最も件数が多かったのは、関東の1694件(同2.2%減)で、近畿は1309件と同5.7%の増となり、上半期としては12年以来13年ぶりに1300件を超えた。
コロナ禍でのゼロゼロ融資を受けた企業の倒産は316件判明し、3年連続で300件を超えた。
このほかの理由別でみると、人手不足での倒産は202件判明し、集計開始から初めて200件を超えた。後継者難での倒産も267件判明し、4年連続の250件超えで高い水準が続いている。物価高による倒産は449件判明し、2年連続で400件超えた。
一方、6月の倒産件数は前年同月比7.7%増で、2か月ぶりに前年を上回った。6月としては過去10年で最多だった。今年は2月を除いて800件を上回る状況が続いている。
負債総額は985億5800万円(同8.7%減)となり、2か月連続で前年を下回った。負債額が最も大きかったのは、ロックウール製造の君津ロックウール(千葉県君津市)の89億4400万円だった。
業種別にみると、7業種中4業種で前年を上回り、サービス業の241件(同12.6%増)が最も多かった。運輸・通信業は39件(同17.0%減)で、8カ月連続で前年を下回った。
今後の見通しについて、同社は「トランプ関税の行方や中東情勢、今月の参議院選挙の結果などが景気の下押し要因になれば、人件費上昇を要因とする物価高と個人消費の低迷につながり、『コロナ借換保証』の返済本格化が倒産に直結する可能性があると指摘。「中小企業の倒産リスクは高止まりが続きそうで、年間1万件突破も視野に、倒産件数の緩やかな増加が続く見通しだ」としている。
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