調査・データSHEINは9日、第三者機関と連携して実施したサプライチェーンの賃金・労働環境と購買慣行に関する調査結果を発表した。中国・広州のSHEINブランド製品のサプライヤーのうち、調達額上位208社を対象とした賃金評価では、確認した賃金記録の99.8%が現地の法定最低賃金の要件を満たした。一方、サプライヤーへの調査では、発注量の安定化や情報共有の強化を求める声が寄せられた。
賃金評価は、国際認証機関WRAPへの委託により、2025年5月から11月にかけて、WRAP認定の監査機関3社が実施した。無作為に抽出した現場従業員2441人の直近3か月分の出勤・給与記録から、7317件の賃金サンプルを分析した。調査対象の従業員の95.3%が、監査機関CTIの算出した広州の生活賃金ベンチマーク(時給)以上の賃金を得ていた。法定の時間外割増賃金の要件を満たした賃金記録は97.5%だった。最低賃金や時間外割増賃金に課題が確認されたケースでは、該当するサプライヤーと原因の特定や対応を進めた。
従業員への任意・匿名のアンケートでは9981件の有効回答を得た。回答者の60.9%が現在の賃金で生活費を賄えているとした一方、26.7%は不十分と回答した。職場環境に満足しているとの回答は86.8%だったが、34.9%はSHEINの既存の苦情処理チャネルを認知していなかった。
この結果を受け、SHEINはESCPとWRAPに連携し、一部サプライヤーの施設で、第三者が独立して運営する「ワーカーケア・ホットライン」を試験導入した。ことし3月の開設以降、法務・心理・人事の各分野で専門的な支援を提供している。
購買慣行については、Cascale Better Buyingが実施する「Better Buying Partnership Index(BBPI)」の第5回年次評価に参加し、サプライヤー72社から回答を得た。SHEINはマイナス100からプラス100までの評価尺度で64点を獲得し、衣料品、履物、家庭用品を含むソフトグッズ分野のベンチマーク61点を上回った。回答企業の90.3%がSHEINを好ましいパートナーと評価した。
サプライヤーからは、期限通りの支払いやデジタルシステムの利便性、生産・在庫管理の意思決定を支援する情報共有などが評価された。一方、より大規模で安定した発注量に加え、短期的な需要変動や中長期的な事業戦略について、緊密な情報共有と支援を求める声も寄せられた。
SHEINはBBPIの結果を経営層や関連事業部門に共有し、購買慣行の改善やサプライヤーとの関係強化に向けた検討に活用する。
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