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富士フイルム、福島にADC原料製造設備

2026年10月13日 (火)

メディカル富士フイルム(東京都港区)は6日、次世代バイオ医薬品の抗体薬物複合体(ADC)の開発・製造受託事業を拡大するため、福島県広野町の広野工場にADC原料の製造設備を導入すると発表した。2028年の稼働を予定しており、グループ内で原料製造から製剤化までを一貫して担う国内初のワンストップADC-CDMOサービスを構築する。

▲抗体薬物複合体(ADC)の構造イメージ(クリックで拡大、出所:富士フイルム)

新設備を導入する広野工場は、富士フイルム和光純薬の生産子会社が運営している。従来のリンカー製造に加え、抗がん剤などの薬物とリンカーを結合した「リンカー・ペイロード」の製造プロセス開発と製造受託に対応する。

導入設備は反応容器、ろ過乾燥装置、分取HPLCシステムなどで、製造プロセスや分析法を開発するラボ施設も新設する。高薬理活性物質を製造工程内に封じ込める能力を強化し、ADC原料の製造に必要な品質管理体制を整える。

ADCの製造には、リンカー・ペイロード製造、抗体製造、両者を結合するコンジュゲーション、製剤化など複数の工程が必要となる。製薬企業が工程ごとに異なる受託先を利用する場合も多く、技術移管や品質管理に加え、サプライチェーン全体の管理が課題となっている。

富士フイルムグループは、広野工場でリンカー・ペイロードを製造し、27年の稼働開始を予定する富士フイルム富山化学の工場で抗体製造、コンジュゲーション、無菌充填、凍結乾燥による製剤化を担う。研究開発段階から商業生産までを一貫して提供し、顧客の開発・製造における負担軽減と効率化を支援する。

ADCは、標的細胞を認識する抗体と薬物を組み合わせた医薬品で、がん治療などへの活用が進んでいる。同社の推計では、世界市場は23年の110億ドルから32年には600億ドルへ拡大する見通し。

富士フイルムは今回の設備投資を通じ、ADC領域のCDMO事業を強化し、開発・製造の円滑化につなげる方針だ。

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