調査・データシーオス(東京都渋谷区)は14日、物流システム開発におけるAI活用と、人間が担うべき役割を解説したホワイトペーパーを公開したと発表した。WMS(倉庫管理システム)やTMS(輸配送管理システム)などの刷新では、AI(人工知能)による開発効率化だけでなく、現場の業務条件を正確に設計し、実装結果を評価することが重要だとしている。
公開した資料の名称は「AIに任せるだけでは、良いシステムはできない―AI時代のシステム開発で人間に求められる『問い・判断・評価』―」。基幹システムやWMS、TMSの刷新を検討する経営層、情報システム部門、DX推進部門、SCM・ロジスティクス部門の担当者などを対象としている。
同社によると、AIを活用したシステム開発では、開発期間の短縮やコスト削減が期待される一方、要件や設計に誤りがあれば、その内容も短期間で実装されることになる。曖昧な定義や矛盾した要件、現行仕様の踏襲、例外条件の抜け漏れなどが残ったままでは、技術的負債が蓄積し、現場で使いにくいシステムにつながる可能性があるとしている。
物流システムでは、需要、在庫、拠点、輸配送、各種制約、KPIなど複数の条件が関係する。例えば、「この納品先は小型車で」といった現場の条件についても、納品先ごとの車両サイズ制限や積載ルールなど、システムで扱えるデータ項目へ変換する必要がある。
ホワイトペーパーでは、こうした現場の複雑な条件を「計算可能」な形にするため、現場制約の構造化、判断基準の言語化、データ粒度の統一、検証要件への落とし込みという4つの観点から設計力を解説している。
また、需要や在庫、拠点、輸配送など複数の条件が競合する場合に、どの条件を優先するかをあらかじめ設計する重要性も指摘。AIを設計内容を実装する「増幅装置」と位置づけ、人間が目的や制約、判断基準を設計し、AIが出した結果を評価する役割を担う必要があるとしている。
開発パートナーの選定についても、システムを「作れるか」だけでなく「どう作るか」を確認することが重要だと説明。現場制約の抽出方法や例外条件の分類、判断基準の優先順位、設計と実装の整合性を検証する方法などを、提案内容を見極める際のポイントとして示している。
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