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幅広い経営課題に対応、運送特化DXツール「ロジポケ」

2024年8月20日 (火)

▲物流プラットフォーム部事業責任者の安藤雄真氏

サービス・商品「物流2024年問題」への対応を求める声が強まるなかスタートした2024年だが、果たして物流の現場は変わっているだろうか。特に運送の現場では、人材確保に向けた職場環境の整備や待遇改善、業務の効率化や省人化が必要だとはわかっているものの、遅々として進まないという企業も多い。そうした運送会社の悩みを解決するために、X Mileが開発したのが物流業界に特化したDXクラウドサービス「ロジポケ」だ。

既に多くの企業に導入されているが、今回、新たにドライバーの安全意識や知識を評価するシステムを搭載。この新しい機能を9月10日から13日まで東京ビッグサイト(東京国際展示場)で開催される「国際物流総合展2024」でお披露目する。出展を前に、ロジポケでどのような課題を解決できるのか、新機能のほか、サービス全体の特徴や活用方法について、同社の物流プラットフォーム部事業責任者、安藤雄真氏に話を聞いた。

意欲を引き出す教育システムを搭載

同社はドライバーや建設作業者、警備員など「ノンデスクワーカー」の労務や職場環境を改善するためのクラウドサービスを手がけており、ロジポケは、物流業界の働き手の不足や労働生産性の向上などを目指して開発された。ドライバーの安全対策や労務管理、監査対策、経営管理などの幅広い業務に対応し、これまで紙や表計算ソフトで管理していた書類がクラウド上で一元管理できるようになるほか、eラーニングによる事故防止研修や安全教育も可能になる。

今回搭載した新機能では、労務管理や教育面の強化を重視したと言い、その一つが各個人の安全意識や知識の修得、業務への姿勢などをスコア化するタレントマネジメント機能だ。ドライバーの評価と言えば、事故や違反をしたかどうかだけで判断され、減点評価となることが多いが、この機能では事故に関する情報だけでなく、法定12項目の受講記録や安全教育に関する各種履歴などをドライバーごとに記録して、「法令順守」「運転知識」「貨物の特性理解」など6項目を点数で評価。安全意識の定着度や教育の成果、スキルや知識を習得するための取り組み姿勢などを可視化して、本人のモチベーションの向上にもつなげる。

▲新機能の概要(クリックして拡大)

ドライバーの客観的な評価の重要性について、安藤氏は「ドライバーの評価は大抵、事故をすれば大きく下がるというように、減点方式になっている。しかし、事故を起こしてしまったとしても、普段から真面目に取り組んでいる人はいるし、事故の有無にかかわらず、上司からの働きかけが必要な人もいるのが実状」と指摘。実際に、「とりあえず、法定12項目を受講しておけばよい」と安全教育を軽視する風潮も少なくない。「その点、一人一人をしっかり評価すれば、管理者は指導がしやすくなり、コミュニケーションのきっかけにできる。本人も目標ができ、当事者意識を持って講習に臨めるようになるはず」と安藤氏は教育効果を強調。ひいては、ドライバーのモチベーション向上を促進し人材定着にもつながるとする。

こうしたロジポケのスコアを、賞与の査定など人事評価に活用している会社もあるという。同社でも今後、スコアを含む各種情報を連携させて、個人をさまざまな角度から評価するシステムの構築を進めている。

社会的インフラ産業の地位向上が目的

2024年問題の解決に向けた働き方改革を支援していこうと開発されたロジポケは、運送業に関連する業務すべてをデジタル化していこうとのコンセプトで開発された。物流業界出身の現場を良く知る社員が開発を担当し、現場で働く人たちに寄り添った使いやすい仕様になっているのが特徴だ。

ドライバーの勤怠管理や運行管理などの労務業務や、運送の手配や請求書の発行・管理といった事務作業だけでなく、ドライバーの免許証や車両の車検の更新時のチェック、監査や巡回指導の際に用意しなければならない書類の準備など、すべてクラウド上で対応できる。いちいち書類を作成して、ファイルに保管する必要がなくなるため、管理者や事務スタッフの負担軽減になり、ペーパーレスも図れる。また、車両別の売り上げなどを集計したりグラフ化したりすることも可能で、投資効果の検証や事業計画の立案にも役立つ。中小企業でも利用しやすいように導入費用も月額数万円からと抑えた。

▲ロジポケ対応業務の一覧(クリックして拡大)

同社が物流や建設、製造といった業界向けにサービスを開発する裏には「物流、建設、製造といった産業は衣食住を支える社会生活におけるインフラだ」との思いがある。それなのに、現場で汗を流すノンデスクワーカーの社会的地位は低く、業界の問題や日頃の活躍に光が当てられることは少ない。特に最近は人手不足や生産性の低さが大きな課題となっている。 こうした課題を解決するために業界のDXを図り、誇りを持って働ける魅力ある職場にしようと開発したのが、ロジポケなどのサービスだ。

経営全てを網羅する完全無欠なツールに

ロジポケは発表以来、データ連携などの機能の充実を図り、幅広い業務への対応と業界の特性に応じた使い勝手の良さを目指してきた。このシステムさえあれば、運送業の経営に関わることは全てクラウド上で管理、運営できる完全無欠な物流業界のツールの実現が究極の目標だ。

「今までは運送を終えて帰ってくると、時間をかけて日報を作成して提出しなければならなかった。しかも、それは仕方がないからやっているだけで、そうしたデータが経営の改善や事業戦略などの意思決定に活用されるわけではなく、オペレーションの改善につながることもめったにない。それは、日報の作成に費やす時間が無駄になる」と安藤氏は話す。「しかし、ロジポケを使えば、勝手にデータが蓄積され、裏で勝手に連携してくれる。そのため多くの機能を使えば、それだけデータが蓄積され、それをもとに適切な意思決定ができるようになる。そうした世界を私たちは目指しているし、その一歩を踏み出しつつあると思っている」と語るのも、ツールの機能への自信の表れだろう。

課題への対応法は個別的で複雑

(イメージ)

同社ではツールを提供するだけでなく、働き方改革への対応などの労務管理や、車両の稼働率・利益率などの経営改善、安全衛生教育など安全対策をテーマにしたセミナーも開催している。これもさまざまなアプローチで、業界の課題を解決し、社会インフラである物流産業を支えていきたいとの思いからだ。

しかし、業界には課題が多いうえ、会社の規模や扱う荷物、地域によって考え方や姿勢が異なるため、最近は、さまざまな会社を集めて共通するテーマを取り上げるような内容では、参加者全員に有益なものにならないと感じているという。このため、月4回程度だったセミナーの回数を7回程度に増やし、テーマも細かに設定して、具体的な解決策を求める会社に必要な情報が届くよう工夫を凝らしている。テーマの設定時には、ある程度会社の規模なども想定するが、想定とは違った会社が多く集まるなど、試行錯誤の部分もある。それだけ、各企業が抱えている課題は個別的で、複雑だということだ。

「DXでも、業務変革でも、結局、各社それぞれに適した道筋があり、教科書通りに物事を進められる会社は1つもないと思う。だから、業務改革や経営改革の方法がわからないのであれば、自ら必要な情報を様々な場所に取りに行かないといけない。同じような課題でも、会社によって解決策は異なる。回答は個別にあるといっていい。セミナーでも解決の糸口のようなものを、まず提示して、それより深く掘り下げていくのなら、個別に相談するというやり方にする必要がある」と安藤氏が語るように、課題解決には専門家のサポートも欠かせない。この点、業界に特化したツールを提供している同社なら、より具体的な解決策を示せると言えるだろう。

課題解決の道筋がイメージできる展示に

「物流2024年問題」と一括りにされるが、会社ごとに個別の事情や、社内文化などがあり、特効薬のような解決策があるわけではない。しかし、最新のデジタル技術を導入してみることで、解決の糸口が見つかることもあるだろう。今回の同社の展示では、できるだけ解決の道筋をイメージできるような構成にするという。 「きっと、課題解決に向けた具体的な手当や手段が見えてくるはず。ぜひ期待して会場に足を運んでいただきたい」と安藤氏は呼びかけている。

「ロジポケ」概要
「国際物流総合展2024」出展情報

カテゴリー:物流業務改善支援
ブース番号:7-1006

公式サイト
https://www.logis-tech-tokyo.gr.jp/ltt/