話題「国際物流総合展2024」が9月10日、開幕した。会期中、LOGISTICS TODAYは現地取材に基づくコンテンツを随時公開する。
<4日目>
プラスオートメーション、庫内の全自動化目指す
ウィルボックス、国際物流ソリューションを展示
注目高まる、働き手の健康・快適への配慮
オートストア、冷凍冷蔵倉庫に低コストに後付けも可
<3日目>
寺岡精工、重量計測機能付き協働AMRを披露
ラピュタロボ、自動倉庫の導入現場がさらに増加
現場ごとの最適解求める、野村不動産テクラム
中国・プロログ、日建リースと立体自動倉庫で協業
オカムラ、サイビスター自動倉庫タイプを初公開
Mujin、高性能ロボ稼働でソフトウエアの力示す
エナジーウィズ、電動フォーク電池運用見直し提案
ユピテル、フォークリフト用ドラレコで安全訴える
<2日目>
多様な選択肢で最適解導くチーム・タクテックNLJ、「共同輸送のひろば」から連携拡大目指す
<1日目>

国際物流総合展開幕、課題解決探り来場者過去最多
アイリスオーヤマ、多様な事業分野で物流課題対応
東京建物、T-LOGIで冷凍冷蔵や危険物に領域拡大
シーネット、運搬支援AMR連携システムを初出展
古野電気、ETC活用による構内物流効率化を紹介
完全自動化目指すダイフク、小規模導入対応も
WES普及目指すCEC、AGVとの連携デモ公開
JPRとupr、連携による課題解決XROPで先導
ミズノ、労働環境の改善背景に物流業界へも進出
ハコブ、物流総合展で共同配送支援サービスを披露
▼「国際物流総合展2024」の見どころを解説▼
24年問題の真っ只中での開催となることしは、特に社会課題としての物流危機への関心の高さからか、「出展募集からわずか1か月弱、過去に例を見ないスピードでキャンセル待ち。出展企業の関心の高さがわかる」と、日本ロジスティクスシステム協会、JILS総合研究所第1部マネジャー事務局長補佐で、今回の国際物流総合展事務局を務める阪本大介氏は言う。

▲国際物流総合展事務局の阪本大介氏
今回、532社3220ブースの出展となり、ブース数では当初の目標数を400以上も上回る、過去最大の盛況となった。「これまでのいわゆる常連さんの出展増加に加え、新興勢力、ソリューションベンダーの出典も増加。24年問題を商機と見る出典や、別のサービス領域から物流領域への参入などが過去最大となるブース数につながっている」(阪本氏)
今回の物流展では、「持続可能な道、物流の明日を育む」というテーマが掲げられた。物流効率化に加えて、脱炭素、SDGsへの対応など、未来永劫のテーマ、先を見越した課題への対応を促すテーマ設定と言えるだろう。また、トラックだけに頼らない、海運、航空なども合わせた、あらゆる輸送手段を選択肢とした、これからの道、これからの物流が問い直される。国内のみならず、国際物流に関するソリューションの出展など、より多彩な出展、あらゆる領域からの物流への貢献が大きなトレンドとなっている。大きな視野での物流革新を考えることは、部分最適から全体最適へという、物流DX(デジタルトランスフォーメーション)の基本的なテーマにも重なる。
24年の国際物流総合展、見どころ紹介
さて、今回の国際物流総合展の見どころについて、阪本氏に話を聞いた。
「2024年問題への具体的な課題感を持っての出展が多く、荷待ち・荷役時間削減、労働力不足の解決を目指すソリューションのほか、ロボットの展示、自動化マテハンの実機展示は見所の1つ」(阪本氏)。最新のロボットや、自動化ツールによるデモンストレーションは、展示会でも特に多くの人で賑わうことが予想される。その他、それぞれの課題感を持って来場すれば、その解決策との出会いや、より詳しい相談ができるのも、展示会ならではの醍醐味と言えるだろう。とにかく多数の出展、広大な会場だけに、事前の情報収集がより効果的に物流展を活用するヒントとなりそうだ。8月28日、29日の2日間、主催者と出展者によるウェビナーも開催されるので、予習しておくのも良いのではないだろうか。

(イメージ)
連携事例の出展、共同出展も増えているという。ソリューションごとの個別工程の最適化だけではなく、より広い領域での最適化の取り組みが進んでいること、その動きの中で、それぞれの企業ができることは何かなどについても、考えを深める機会となる。
「また、海外からの出展が多いのも今回の特色。国内ソリューションと海外ソリューションの違いなど、新しい発見があるのでは」(阪本氏)。海外からの出展では、自動化ツールの先進国・中国から多数の出展があるほか、韓国や台湾からの参加もあり、国ごとの提供ソリューションの違いなども体感できるかも知れない。
また、国際物流総合展といえば、その充実したセミナープログラムも見所の1つだ。展示会のテーマ「持続可能な道、物流の明日を育む」をテーマにした討議の場となる「ロジスティクス未来フォーラム2024」を会期それぞれの日程でテーマを変えて開催。そんなセミナープログラムの中でも目玉企画として、会期の初日9月10日に特別セッションとして、「製・配・販のすべてのプレイヤーが集まるパネルディスカッション」が予定されており、熱い議論が期待される。また3日目、12日開催の特別セッションでは、これからの物流、ロジステュクスのイノベーションをテーマに、近未来の物流をテーマにしたパネルディスカッションが予定されており、スタートアップなどの新しい取り組み、アイデアなどを取り入れる機会となる。

▲昨年の「国際物流総合展 INNOVATION EXPO」の様子
24年も終盤となれば、物流危機対応への進ちょく状況などについても見つめ直さなけれなならない。年が明ければ、そうした取り組み成果が問われる局面となるだけに、このタイミングでの物流展は、「ビジネスマッチング、出展者と来場者の出会いに加えて、少しでも多くの課題解決につながる物流展」(阪本氏)となることが、主催者の目指すところだ。ソリューション導入の効果実証、システム連携の事例、新たな連携のアイデアなど、「新しいイノベーションを起こせるような物流展にしたい」(阪本氏)
これだけの物流関係者、自社状況への課題感や、物流の未来に問題意識を持つ人々が集結する機会はない。「その規模を活用して、4日間の中で1つでも多くの出会い、出展者同士、来場者同士の交流、そこから生まれる連携にも期待したい。そうしたきっかけの場となることが、国際物流総合展のミッションであり、それを加速させる取り組みを事務局では担っていきたい」(阪本氏)
このタイミングにこれだけの規模感で物流関係者が集結するのは、千載一遇のチャンス。たくさんの新しい出会いが生み出す、たくさんの解決策が、ここから誕生することに期待したい。