M&Aキユーピーは3日、連結子会社でジャム製造のアヲハタ(広島県竹原市)を株式交換で完全子会社化すると発表した。9月25日開催予定のアヲハタの臨時株主総会で承認を受けたうえで、同社は11月1日付で完全子会社となり、10月30日付で上場廃止となる。親子上場に対する投資家の目が厳しくなる中、完全子会社化によって、経営の効率化を進めるとともにブランド力の向上を図る。
同社の発表によると、両社がこれまで以上に情報、人的資源の共有と経営資源の結集を図り、発展していくためには、アヲハタがキユーピーの完全子会社となり、柔軟で迅速に意思決定できる体制を整えることが必要だとして、今年3月25日にキユーピーからアヲハタに対して株式交換による子会社化を提案。アヲハタ側は特別委員会を設置して検討を行い、提案に同意することを決めた。
株式交換では、アヲハタ株1株に対し、キユーピー株0.91株を割り当てる。キユーピーは株式交換を選択したことについて「TOB(株式公開買い付け)に比べスケジュールを短縮でき、実務の負担を軽減できるうえ、自己株式を活用できるなど経済合理性がある」としている。
アヲハタはキユーピーの創始者、中島董一郎氏が設立した企業の出資によって1932年に設立され、ジャムやママレード、缶詰ミカンなどの果物の加工品製造を手掛けている。キユーピーは2014年にアヲハタを連結子会社にし、現在は44.62%の株式を保有している。
また、キユーピーは同日、株式交換などのため、上限960万株、240億円の自社株式取得を行うと発表した。取得期間は4日から来年5月31日までで、市場で買い付ける。アヲハタ株との交換のほか、既存株主の株式価値の希薄化の抑制を目的としている。
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