荷主アイシン(愛知県刈谷市)は9日、東邦ガス、東洋建設、三井住友銀行と共同で、地域の工場から回収したCO2を輸送し、e-メタンの製造・供給や廃棄物処分場での固定化に活用する実証事業を開始すると発表した。環境省の2026年度「民間事業者を主体とした地域での炭素循環事業モデル実証補助事業」に採択された。
実証では、アイシン西尾ダイカスト工場とAGC愛知工場の排ガスから回収したCO2を液化し、大規模かつ効率的に輸送する。デンソー安城製作所からは気体のままCO2を輸送する。アイシンは、中小規模かつ負荷変動を伴う排ガスを対象に、CO2の回収から液化までを実証し、低コストかつ安定した液化CO2製造を実現する装置仕様や運転条件の確立を目指す。
アイシン西尾ダイカスト工場とデンソー安城製作所から回収したCO2は、東邦ガス知多e-メタン製造実証施設へ輸送する。製造したe-メタンは、都市ガス導管網を通じてアイシンとデンソーに供給する。
東邦ガス、アイシン、デンソーがことし3月に開始した「地域CO2循環型e-メタン供給」の共同実証と比べ、今回は液体CO2も対象として受入量の大幅な拡大を図る。液体CO2を効率的に活用するため、ISOコンテナを輸送用と定置用の双方の容器として運用できるか検証する。
東洋建設が主体となる処分場での実証では、AGC愛知工場などから回収・液化したCO2を衣浦港3号地廃棄物最終処分場へ運搬する。焼却灰などのアルカリ性廃棄物や処分場内の水の中和に利用し、低エネルギーでCO2を固定する条件や、維持管理期間の短縮・コスト削減を検証する。年間1000トンのCO2固定に向けた運用方法の確立に加え、微細な気泡にしたCO2による場内水の中和効果も調べる。
三井住友銀行を中心に、CO2の回収から利用までのサプライチェーン全体の事業性を評価し、CO2と環境価値を一体的に管理・活用する仕組みを検証する。将来展開に向け、事業モデルの成立に必要な制度面・運用面の課題も整理する。
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