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スカニアが都市向け次世代コンセプト車両、2030年以降実用化

配送・ゴミ収集・旅客対応のモジュール式自動走行EV

2019年6月17日 (月)

話題フォルクスワーゲン傘下で大型トラック製造世界3位のスカニア(スウェーデン・セーデルテリエ)は14日、朝夕の通勤時間帯は旅客輸送、日中は廃棄物回収、夜間は商品配送といった柔軟な使い分けが可能な新コンセプトの都市型自動走行EV「NXT」を発表した。

NXTはフロントとリア・ドライブ機構がモジュール式になっていて、バスや配送トラック、廃棄物回収車に取り付けることができる。

近代都市では通勤や通学、スーパーマーケットや飲食店へ食材配送、病院への医薬品配送、ごみを収集・処理などの輸送活動が行われているが、同社は「現在の都市の輸送フローは人々が移動する朝のラッシュアワー時に商品が配送されるなど、最適化された状態だとはいえない。一方、都市の中心部では、人々が眠りにつく夜間の輸送は大方禁止されている」と都市の輸送活動が必ずしも効率的ではないと指摘。

その上で、自社の役割について「スカニア自身が、都市の交通システムを作り直すことはできない。われわれにできることは、変革のアイデアを提供することだ」と定義づけ、「公共交通は常にシェアリングを意味してきた。今こそ、これを次のレベルへと押し上げる必要がある。自動化がさらに進むことで、よりシンプルな形で、公共交通にさらなる柔軟性を取り入れることが可能になる」として、1台の車両が複数の役割を担うあり方を目指すべき、との考えを示した。

現在の開発状況については「NXTは都市交通の未来のビジョン。中には、まだ発展途上のテクノロジーもあるが、実際にコンセプト車両を構築し、われわれが達成しようとしている技術とアイデアを目に見える形で示すことが重要だと考えてきた」と説明、まだコンセプト段階にあることを明かした。実用化については「2030年とそれ以降を見据えて設計されている」としている。

▲朝夕の通勤時間帯は旅客輸送に

▲日中は廃棄物回収に

▲夜間は商品配送に、柔軟に使い分けることができる