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視界不良時の認知可能に

商船三井、にっぽん丸にAI画像認識搭載

2019年9月12日 (木)

ロジスティクス商船三井は12日、センスタイムジャパン(東京都港区)、京都府と共同で、新たな船舶画像認識・記録システムを開発したと発表した。商船三井客船が運航する「にっぽん丸」に搭載し、実証実験を開始した。

システムには商船三井が持つ知見を盛り込み、AIのディープラーニング技術を活用してほかの船舶を認識する画像認識エンジンを開発した上で、画像処理ユニット(GPU)を搭載した端末と超高感度・超高精度カメラを接続。高い精度に船舶を認識し、自動記録される仕組みを構築した。

画像認識技術は夜間など視界不良の際にも対応することが可能で、これまでの船舶自動識別装置(AIS)で捉えることができなかった小型船舶も認知できる。商船三井は「将来的に自律航行船の実現を目指す上で、この画像認識を見張りの自動化へ向けた必要な要素技術」と位置付ける。

AISは国際条約、国内法で船舶に搭載しなければならないとされているが300総トン数未満の外航船、500総トン数未満の内航船は搭載義務がない。今回構成したシステムでは、撮影した画像データが自動記録されるため、これらのデータを活用することで今後は認識状況の精査を重ね、画像認識エンジンの解析精度をさらに高めていく。

すでに実用化されている「AR航海情報表示システム」などの認知にかかわる航海支援システムを「フォーカスアイ」と名付けるシリーズに編成するとともに、「自律航行船の実現を目指し、見張り自動化へ向けた技術の開発を加速していく」としている。