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次期物流大綱の提言案まとまる

2020年12月22日 (火)

行政・団体国土交通省が設置した有識者検討会は22日、次期総合物流施策大綱の提言案をまとめた。来年春ごろの閣議決定を目指す。

新型コロナウイルスの感染拡大を背景に、EC市場の急成長、新しい生活様式、物流の社会的価値の再認識が進んでいることを好機と捉え、日本が直面する課題の解決に向けた物流施策を進めるものとなった。

(出所:国交省)

現行の物流大綱下では、物流の労働生産性、トラック積載効率、宅配便の再配達率などを代表的な指標に定めたが、労働生産性は2015年度の2000円(1時間あたり)が18年度に2025円と25円上がったに過ぎず、全産業平均の3602円には遠く及ばない水準にとどまっている。積載効率も16年度の39.9%から19年度はむしろ下がって37.7%に低迷した。

再配達率は17年度の16%程度から20年度には10%へと改善したが、新型コロナウイルスの影響で在宅率が高まったためとも考えられるため、今後も改善傾向が続くかを注視する必要がある。

次期大綱の提言案には、物流DXや物流標準化の推進によるサプライチェーン全体の徹底した最適化を進める「簡素で滑らかな物流」、時間外労働の上限規制の適用を見据えた労働力不足対策の加速と物流構造改革を推進する「担い手にやさしい物流」、強靱性と持続可能性を確保した物流ネットワークを構築する「強くてしなやかな物流」———と、3つのコンセプトに沿った15分野の施策を盛り込んだ。

また、これらの施策の進捗を評価する前提として「物流が直面する課題は、国だけでなく、物流事業者、荷主、一般消費者などすべてのステークホルダーの連携、協働による継続的な取り組みによってこそ解決が図られるもの」と指摘。その上で「大綱の目標の達成状況を見きわめる上で真に重要な重点化されたKPIを設定し、これを大綱本体に位置づける」ことを求めた。

■提言案
https://www.mlit.go.jp/seisakutokatsu/content/001379770.pdf