調査・データNIPPON EXPRESSホールディングスと日本貨物鉄道(JR貨物)、自動運転技術開発のT2(東京都港区)は23日、自動運転トラックと貨物鉄道を組み合わせた「モーダルコンビネーション」の実証を開始したと発表した。実証は日本通運とJR貨物、T2が共同で実施し、国内初となる自動運転トラックと貨物鉄道の組み合わせによる新輸送モデルの確立を目指す。

▲T2の自動運転トラック(出所:T2)
実証は20日から開始し、雪印メグミルクの常温品を北海道から関西まで輸送。全国通運(千代田区)、日本フレートライナー(同)を含む5社で検討を進めている。T2は自社で開発したレベル2自動運転トラックによる幹線輸送を担当。将来はレベル4自動運転トラックの導入も視野に、新たなルートや柔軟な輸送に対応する体制を検証する。
今回のルートは、北海道の雪印メグミルク物流拠点から札幌貨物ターミナル駅までを日本通運がトラックで輸送し、札幌貨物ターミナル駅から隅田川駅までJR貨物が貨物列車を運行。その後、隅田川駅から百済貨物ターミナル駅(大阪府)までT2のレベル2自動運転トラックが高速道路などで輸送し、百済貨物ターミナル駅から雪印メグミルク物流拠点まで日本通運が配送する。

今回の実証のルート/役割イメージ(出所:T2)
輸送には、JR貨物とT2が共同開発した31フィートタイプの共用コンテナを使用。このコンテナの活用により、貨物列車からT2の自動運転トラックへの荷下ろしと積み替え作業を容易にして、効率化を図る。実証作業では、隅田川駅でのコンテナ積み替えの検証、北海道から関西までの一貫オペレーション検証、自動運転トラック輸送区間の品質検証を進める。自動運転トラックの運行はドライバーが乗車し監督する体制で実施する。
日本通運は集貨・配達、JR貨物は鉄道区間での輸送と検証、T2は自動運転トラック輸送、雪印メグミルクは協力と輸送品質の検証を担当する。持続可能な物流への転換を目指し、地球環境問題や物流業界の労働力不足改善を視野に入れる。柔軟な輸送力の増加、幹線輸送ルートの複線化、新たな輸送モデルの創出まで遂行する予定だ。
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