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ニチレイロジ、冷凍機の遠隔監視で最適稼働を確保

2022年6月28日 (火)

▲遠隔監視システムによる監視イメージ(出所:ニチレイロジグループ本社)

フードニチレイロジグループ本社(東京都千代田区)は28日、冷凍機の稼働状況を遠隔監視する独自システムを開発したと発表した。関東地方の7拠点に導入。冷凍機の拠点外から一元的に管理することにより、さらなる運転最適化を図る狙いだ。

これまで冷凍機の稼働状況は各拠点で監視していたが、複数拠点での稼働データの比較が課題となっていた。遠隔監視システムは、稼働データをクラウド上に集約して可視化する。拠点外から複数拠点の一元的な監視が可能となる。

遠隔監視システムを導入する拠点は、ニチレイ・ロジスティクス関東の「東京ディストリビューションセンター(DC)」「大井DC」「横浜南DC」、キョクレイの「大黒DC」、さらにロジスティクス・ネットワークの「船橋DC」「品川DC」「東扇島DC」――の計7か所。

今後は、蓄積された日々の稼働データを活用することで、運転効率のさらなる向上を図るとともに、IoT(モノのインターネット)も活用しながら故障の前兆を早い段階で把握する取り組みにもつなげていく。

ニチレイロジグループは今回のシステム開発・導入を契機として、安全で高品質なサービスの提供を通してサプライチェーンを支える持続可能な物流の実現に取り組んでいく。

▲遠隔監視システム画面(クリックで拡大)

冷凍物流の今後のベクトルを先取りした、ニチレイロジグループの冷凍機「遠隔監視システム」

ニチレイロジグループが独自に開発した冷凍機の稼働状況を遠隔監視するシステムは、今後の冷凍物流のさらなる需要拡大を見据えた先行投資の側面が強い。

EC(電子商取引)サービスの拡大に比例して、冷凍による輸送や保管のニーズが急速に高まってきている。冷凍機の保有台数を増やすことになれば、適正な稼働を維持するための人員確保が追いつかなくなるおそれもある。こうした事態を招かないためにも、先手を打った格好だ。

サプライチェーンにおける冷凍機器の需要が、今後さらに高まるのは確実だ。繊細な温度管理が欠かせない医薬品の冷凍輸送は、医療の高度化・多様化を背景に、さらなる技術革新を求められるだろう。もはや当たり前になった食品デリバリーのラインアップに対応した冷凍保存・宅配需要は、「新しい生活様式」の時代を迎えて欠かせないインフラになるだろう。

こうした観点で考えれば、ニチレイロジグループの冷凍機遠隔監視システムは、サプライチェーンを支える物流機能の変革のベクトルを的確に捉えた取り組みと言える。こうした市場動向を先取りする企業こそが、今後に生じるであろうパラダイムシフトに柔軟に対応して生き残っていくことになるのだろう。冷凍というキーワードで考えるならば、こうした傾向はさらに強いはずだ。(編集部・清水直樹)