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GROUND、ウイルテックと提携で専門人財育成

2022年10月19日 (水)

▲(左から)GROUND社長の宮田啓友氏、ウイルテック社長の宮城力氏(出所:GROUND)

サービス・商品GROUND(グラウンド、東京都江東区)は19日、製造派遣・製造請負サービスのウイルテック(大阪市淀川区)と戦略的業務提携契約を締結したと発表した。両社の専門的なノウハウやリソース、ソリューションを共有し新たな事業価値創出を目指すとしている。

具体的には、連携した営業や提案活動をはじめ、新規ユーザー獲得を目指して互いに顧客基盤の拡大を図る。特に、GROUNDの物流施設統合管理・最適化システム「GWES」については、より連携を強固にして拡販に努める。

▲GROUNDが開発する自律型協働ロボット「PEER」

両社は人的なアプローチでも連携を深める。GROUNDの自立型協働ロボット「PEER」(ピア)とStandard Robots製ロボットによるワンストップサービスについて、ウイルテックが有する人材に対し、専門技術や知見に関する教育や育成を講習会などを通じて実施。GROUNDのサービスに精通した物流の「高度人材」を育て、ロボットソリューションでの導入や運用保守サービス品質の向上に取り組む。

GROUNDの宮田啓友社長は「GROUNDの強みや専門性を積極的に共有することにより、ロボットソリューション事業やAIソリューションソフトウエア事業という主要事業のさらなる拡大と加速を図る」と語り、ウイルテックの宮城力社長は「AI(人工知能)技術やロボットを活用した製造業のDX(デジタルトランスフォーメーション)化推進は急務。GROUNDとの協業体制により新たなソリューションを得ることができた」とコメントした。


▲(左から)GROUNDのR&Dセンター「playGROUND」、ウイルテックの新設ロボットソリューション施設「プロジェクトデザインセンター」

「物流DX」の将来を担う人材創出にまで踏み込んだ連携を期待する

「物流現場における人材不足は構造的な問題である」。少子高齢化やいわゆる「3K(きつい、汚い、危険)職場」を忌避する傾向などさまざまな要因が指摘されている。国土交通省や日本物流団体連合会(物流連)も、物流に携わる人材の発掘を目指す取り組みを進めている。

しかし、なぜか物流事業者による自発的な人材確保の取り組みがなかなか生まれてこないように思えてならない。今回のGROUNDとウイルテックによる戦略的業務提携は、こうした風潮に風穴を開ける契機になるのではないか。強く期待したいところだ。

物流人材は、何も倉庫の荷扱い従事者や輸送トラックドライバーだけを指すわけではない。社会に不可欠なインフラである物流を支えるあらゆる人材を意味すると考えるべきだろう。

GROUNDは、ロボットやAIをはじめとする先進技術を活用した物流における問題解決策を提示することで、こうした業界の諸問題に対応する、いわば「物流DX」の旗手だ。今回の提携劇で注目すべきは、そのGROUNDが製造派遣・製造請負サービス事業者と手を組むところにある。

相互の強みを活用し合うことによる新規ビジネスの創出。ここでは、物流現場で今後さらに加速するであろうDXの動きを見据えた、自律型協働ロボットなど先進機器・システムの開発・提供ビジネスにおける新基軸を創出できる人材の開発までを視野に入れた活動にまで踏み込んでほしいと期待する。(編集部・清水直樹)

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LOGISTICS TODAY編集部
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