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日販が物流再編施策で第一手、来秋に新拠点を開設

2023年10月12日 (木)

荷主出版流通大手の日本出版販売(以下、日販)は12日、「物流再編プログラム」の第1弾として、2024年秋にロボティクスの活用や新しい倉庫管理システム(WMS)の導入などにより高度化された2万5355平方メートルの新拠点を埼玉県新座市に開設すると発表した。文具雑貨商品などの保管、仕分け・出荷、出版社からの物流受託事業の拡張などの出版・書店寄りの業務のほか、他社からの物流業務受託などの3PLも行う。

▲日販が24年秋に拠点を開設する埼玉県新座市の物流施設(出所:日本出版販売)

日販は、この拠点を皮切りに今後、グループ共通となる新しいWMSを導入。これにより業務フローを標準化し、さまざまな状況に応じた物流サービスの効率化を目指す。半径3キロ圏内には日販グループの拠点が4つ集積し、延べ5万6198平方メートルあまりの作業拠点が集中する予定。これにより拠点間輸送などの輸送距離が短縮されるとともに、繁閑に合わせた作業スペース、人員の融通などを行っていく。また、近隣には出版各社の倉庫も多く、将来的には各社との物流連携の検討を開始しているという。

拠点内のシステムもロボティクスを先行的に導入し、効率化、省力化を行う。物流センターにおいてロボットなどに商品や商品棚を作業者の手元まで運ばせるGTP(Goods to personの略)を導入することで、商品ピッキング作業においては生産性を現状に比べて3倍に向上させることを目標とする。また、各書店の売場展開に合わせた文具・雑貨商品などにも対応した設備を導入すると同時に、これらの商品の出荷拠点を拡張し、保管・仕分け・出荷などの物流機能を効率化する。

日販はこれまでも拠点再編によるコスト削減を進めてきたが、資材費や人件費の高騰に加えて流通量の減少により、配送だけでなくサプライチェーン全体での物流効率が低下。加えて、日販の物流拠点は流通量がピークを迎えた1990年代に導入されたものが多く、現在の市場規模に見合わない状態となっているという。また、経年劣化が進んでいるとともに、拠点ごとに扱っている商材や業務に特化した設備、システムとなっており、物量の増減や新しい商材の取り扱いなどに対応しにくくなっている。日販ではこれらの課題を解決し、環境変化に対して、より柔軟に対応するために「物流再編プログラム」を展開していく予定だが、この新拠点がその第1弾の施策となる。

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LOGISTICS TODAY編集部
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