ロジスティクス米市場調査会社のResearch Nester(リサーチネスター)は18日、世界の小売り物流市場は2036年までに現在の4倍以上の規模に達するとの調査結果を公表した。
同社はことし6月から7月まで、世界各国の521社を対象に対面やインターネットによる調査を行った。それによると、小売物流市場は、2023年で2405億ドルと見られ、2036年までに4.2倍の1兆314億ドルに達すると予測される。この間の年平均成長率は12.9%となる
同社によると、小売り物流市場は電子商取引(EC)の拡大の影響が大きい。オンラインで買い物をする消費者が増えるにつれて、小売り業者は増加する注文量に対応し、返品を管理し、タイムリーな配達を確保するための堅牢な物流システムが必要になる。
さらに、世界貿易の拡大で、サプライチェーンの複雑さが増しており、国境を越えた出荷を管理し、各国の規制を順守し、多様な市場の需要に効率的に対応できる高度な物流システムが必要だと指摘している。
輸送手段別に見ると、水路による輸送が今後、大幅な市場シェアを獲得する見込みで、コスト効率と環境への配慮がシェア拡大の要因となる。水路による商品の輸送は、特にバルク品の場合、道路や航空輸送に比べてコストが抑えられる。さらに、炭素排出量を大幅に削減できるため、サスティナビリティ(持続可能性)などを掲げる小売り業者にとって、好ましい選択肢となる。
地域別にみると、アジア太平洋地域が大きく成長し、26%と最大の市場シェアを占めると予想される。特に日本が大きな市場シェアを獲得するとみられる。
また、北米ではオンラインショッピング利用者が急増。22年の米国のデジタル購入者は2億6800万人で、25年までに2億8500万人に達する。増加するEC取引量に対応するため、配送センターやラストマイル配送サービス、高度な注文履行システムなどが拡大していくことが考えられる。
■「より詳しい情報を知りたい」あるいは「続報を知りたい」場合、下の「もっと知りたい」ボタンを押してください。編集部にてボタンが押された数のみをカウントし、件数の多いものについてはさらに深掘り取材を実施したうえで、詳細記事の掲載を積極的に検討します。
※本記事の関連情報などをお持ちの場合、編集部直通の下記メールアドレスまでご一報いただければ幸いです。弊社では取材源の秘匿を徹底しています。LOGISTICS TODAY編集部
メール:support@logi-today.com