調査・データT2(東京都千代田区)は9日、鈴与(静岡市清水区)、月桂冠(京都市伏見区)とともに、自動運転トラックによる日本酒の幹線輸送実証を関東・関西間の一部高速道路区間で開始すると発表した。同社は自社開発のレベル2自動運転トラックに月桂冠「つき」2リットルパックを積載し、京都市の月桂冠物流拠点から神奈川県厚木市の鈴与拠点まで、計3回輸送する予定だ。運行はすべてドライバー同乗のもと、レベル2自動運転で実施する。

(出所:T2)
T2は今回、幹線輸送区間で自動運転トラックの走行ルートやリードタイム、有効なオペレーションパターンの細部まで検証する。月桂冠が貨物を提供し、鈴与が受け入れを担い、T2が全体マネジメントと車両の供給を担当する。物流業界で深刻なドライバー不足が続くなか、サプライチェーンの持続性強化を主眼に、自動運転技術による効率的輸送体制を目指す。今回の実証に基づき、今後レベル2自動運転トラックの商用運行を進め、27年からのレベル4化を計画する。
鈴与の松山典正取締役は「将来的なトラックドライバー不足による物流停滞が懸念されるなか、世界に誇る日本酒を届ける月桂冠の物流でT2の自動運転技術を活用した大型幹線輸送に取り組めることを大変光栄に思う。本取り組みが社会課題の解決と持続可能な社会インフラの実現につながるよう、尽力する」と話した。
T2事業開発本部長の國年賢氏は「伝統と歴史ある月桂冠および鈴与とともに実証できることに心から感謝している。日本酒へのニーズが高まるなか、自動運転技術を結集した当社のトラックが輸送能力向上へ最大限貢献できるよう、今回の実証で確固たる結果を出す」と強調した。
月桂冠物流部長の上村太郎氏は「明治時代に月桂冠が全国ブランドになった背景には鉄道輸送という物流革新があった。京都伏見で造ったお酒を全国へ届け続けるために今何ができるか考え続けてきた。鈴与とともにT2の自動運転トラック実証に協力することで、新たな日本酒物流革新に貢献したい」と述べた。
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