調査・データ電子出版制作・流通協議会は13日、日本出版取次協会と共同で実施した「書籍製造におけるデジタル印刷活用の実態調査」の結果を公表した。回答した出版社の52.8%がデジタル印刷を活用、または試行しており、小ロット重版による品切れ防止や在庫・返品削減への期待が高まっていることが分かった。
調査は7月16日から9月11日まで、書籍を中心に刊行する出版社300社を対象に実施し、142社から回答を得た。回答率は47%。デジタルショートラン(DSR)の認知・検討・活用状況や用途、導入効果、採算性、今後の活用意向などを調べた。
DSRの主な用途では「重版の小ロット化」が77%で最多となった。需要の見通しが立てにくい既刊書籍を必要な時期に必要な数量だけ製造し、品切れや絶版を避けながら供給を継続する手段として活用が広がっている。
活用によって得られている、または期待される効果では「品切れ防止・機会損失の低減」が6割で最も多く、在庫・返品削減、重版対応の迅速化、絶版解消が続いた。需要に応じて製造数量を調整することで、販売機会を確保しながら、在庫や返品、保管、廃棄に伴う負担を抑えられる可能性がある。
一方、導入・活用上の課題は「採算性が見えにくい」が46%で最多だった。書籍仕様への対応、小ロット重版に伴う業務量の増加、印刷品質への不安なども挙がった。すでに活用している出版社では約半数が「利益が出ている」「採算が取れている」と回答し、試行・評価段階では6割が「条件次第で採算が成り立つ」とした。
今後の活用については、導入済み出版社の9割、試行・評価段階の出版社の約6割が拡大意向を示した。両団体は今後、販売機会損失に関する情報の可視化や導入・運用上の課題整理を進め、出版社がDSRの採算性や導入効果を判断しやすい環境の整備に取り組む。
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