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総務省、日本郵便輸送の検証結果を公表

2011年2月23日 (水)

行政・団体総務省は23日、日本郵政ガバナンス問題調査専門委員会報告で積み残し事案として総務省コンプライアンス室に引き継がれた、「日本郵便輸送」に関する検証報告書の概要を公表した。検証の結果、コンプライアンス室は「指摘された事項に、特段の問題とすべき事実は認められなかった」と報告した。

 

日本郵便輸送は、郵便事業(日本郵便)が郵便輸送業務を委託していた郵便専用自動車会社のうち、主要会社を統合して100%子会社として設立された企業で、外部企業から「その設立過程に問題がある」との指摘を受けて、日本郵政ガバナンス問題調査専門委員会の検証対象とされた。昨年5月の委員会報告で、積み残し事案としてコンプライアンス室が引き継いでいた。

 

日本郵便輸送の設立を巡っては、「公開買付(TOB)を行った1社を含め、子会社化対象専自の株式取得価格の評価プロセスが不適正で、不当に高額に設定された疑いがある」「子会社化対象専自の付帯事業を、子会社化の成否が未定の段階で、郵便事業法に基づき新規事業として認可申請したことが問題」「日本郵便の平成19事業年度事業計画に専自子会社化の計画が記載されていない」――といった指摘があった。

 

報告書によると、コンプライアンス室は、株式取得価格について「日本郵便は、買取り前1年以内に組織再編の検討のために第三者に委託してデューディリジェンス(DD)を実施し、各社の株式価値を算定しており、TOB価格は、DDでの資産査定結果をもとに時点修正を行うなどして決定。相対売買による株式買取りについても、DDでの資産査定結果をもとに価格を算定し、交渉の難易を考慮しつつ、なるべく低価格での買取りを志向していたと認められる」との見解を示した。

 

また、郵便事業法に基づく新規事業として認可申請したことについては、「子会社化が成功した場合に備えて、予め子会社化対象会社の付帯事業につき新規業務としての認可を取得することに問題があるとは考えられない」とした。

 

事業計画への子会社化計画未記載については、「平成19事業年度事業計画には、より具体的に専自子会社化の計画を記載することが望ましかったと思われるが、申請に際して総務省には口頭で説明していたと思われ、総務省からの指導もなかった」として、重大なコンプライアンス上の問題があったとは認められないとした。